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29日の晩、台湾の台北市体育館ではプロボクシング興行が行われる。かつては日本で「台湾初のプロボクサー」としてロッキー・リン(本名・林明佳)が活躍し、確固たる戦力的評価を得る中で台湾の英雄となったが、この国家におけるプロボクシング興行の開催は数える程度しか見当たらない。渡邉卓也(青木)のOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級シルバー王者決定戦をメインとした今回のイベントは、未来の中華圏ボクシング界、そしてアジア・ボクシング界にどんな意味をもたらしそうか。
経済面でもポテンシャルの高い台湾
今回の興行は全6試合。人口約2350万の台湾では、上海など中国大陸で活躍するプロボクサーが何人か練習しており、彼らにとっての凱旋試合にもなる。
日本での活躍が台湾で話題となったリンさん
台湾といえば世界屈指の親日国家で知られ、プロボクシングでも、1970年にヨネクラジムがプロ・アマを併せて成立させた興行を行い、6000人の観衆を集めたという交流があった。以降、1997年のロッキー・リンの凱旋試合や2000年のソムサック・シンチャチャワン(タイ)によるWBF世界王座防衛戦など、台湾では時々、興行が試みられたが、五輪ボクシング界で女子が日本以上の活躍を始めた今にいたるまで、プロボクシング文化が根づいた感はなかった。
7月に香港で戦った渡邉
そんな中、初の台湾遠征で主役を担う渡邉は「中華圏での試合がこれで6連続なので、下手に気負わずに戦えると思う。遠征が続いても、多くの人からサポートしてもらっているので、いい報告を日本にできるようにしたい」と話した。