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ミドル級3団体統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(35=カザフスタン/米)対元世界2階級制覇王者サウル・カネロ・アルバレス(27=メキシコ)の注目ファイトは5月5日、米国ネバダ州ラスベガスのT‐モバイル・アリーナで行われる予定だったが、実現は極めて難しい状況になった。アルバレスのドーピング違反に対し、ラスベガスの試合を管理するネバダ州アスレチック・コミッション(NSAC)が6ヵ月、あるいは1年の資格停止処分を下すことが確実視されているからだ。
アルバレスは2月17日と20日にメキシコのグアダラハラでVADA(Voluntary Anti‐Doping Association=任意の反ドーピング協会)が行った無作為の尿検査で、筋肉増強効果があるとされる禁止薬物クレンブテロールの陽性反応を示した。陣営は「食べた肉が汚染されていたのだと思う」と苦しい言い訳をしたが、NSACでは4月10日にアルバレスの事情聴取を予定していた。その聴取の日程は18日の定期委員会の場になったが、NSACはアルバレス陣営が望めば10日の聴取も可能としている。しかし、規則に沿った罰則が科された場合、アルバレスには1年間の資格停止処分が下されることは確実視されている。委員会に協力した場合はサスペンド期間が6ヵ月に短縮されるというが、それでも5月5日の試合にはとうてい間に合わない。処分は2月からカウントするため、辛うじて9月の試合ならば間に合うというスケジュールだ。
まだ中止が決定したわけではないが、すでにチケットの払い戻しは始まっており、世紀の再戦の実現が難しい状況に追い込まれていることは間違いない。なお、ゴロフキン陣営は相手を変更して5月5日に試合を行いたいという希望を持っており、5月4日に試合を予定しているミドル級世界ランカーのゲイリー・オサリバン(英)や元世界スーパーウェルター級王者デメトリアス・アンドレイド(米)、IBF(国際ボクシング連盟)1位のセルゲイ・デレビャンチェンコ(露/米)らの名前が代役候補として挙がっている。