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[試合結果]2018.3.4

WBCヘビー級戦 ワイルダーvsオルティス

 WBC(世界ボクシング評議会)ヘビー級タイトルマッチ、王者デオンタイ・ワイルダー(32=米)対挑戦者同級3位ルイス・オルティス(38=キューバ/米)の12回戦は3日(日本時間4日)、米国ニューヨークのバークレイズ・センターで行われた。KO率97%のワイルダー、80%のオルティス。ヘビー級を代表する無敗のハードパンチャー同士の一戦は、期待どおり激闘になった。
※ワイルダー対オルティスは5日(日)夜9時からWOWOWライブ・チャンネルで放送。ゲスト:村田諒太(帝拳)

〇デオンタイ・ワイルダー(米)
 10回2分5秒TKO
×ルイス・オルティス(キューバ/米)

 3対1のオッズで不利とみられていたオルティスは左構えから右ジャブで煽り、ときおり左ストレートも繰り出す。これに対しワイルダーは距離をとり慎重なスタートをきった。2回もオルティスの圧力が効いたが、ワイルダーは軽い左で距離を計り、相手が入ってくるタイミングで右のカウンターを狙う。打ち合いではないが、ピリピリした緊張感が漂う。じわじわ出るオルティス、それに合わせて小さく下がりながら迎撃を狙うワイルダーという構図は3回も続いたが、互いに手数が少ない。ワイルダーは大振りを避け左ジャブと右ストレートで勝負する意図が見える。4回、オルティスが軽く左ストレートを顔面に当て、ボディにもパンチを散らし始めた。
 これで流れをつかんだオルティスは右回りをしながら王者に圧力をかける。場内からブーイングが飛び始めるなか、ワイルダーが右ストレートを顔面にヒット。足を突っ張らせたオルティスにさらに右を浅く当ててダウンを奪った。オルティスが立ったところでゴングが鳴った。6回、再び右ストレートでオルティスがバタついた。その後も思い切ったパンチの交換があったが、クリーンヒットは少なかった。7回、今度はオルティスの右フックからの連打でワイルダーが大きくふらついたが、クリンチでダウンを免れ、さらに相手の連打に対してもクリンチを連発してゴングに逃げ込んだ。8回、オルティスが左ストレートを繰り出して王者を追い込んだが、オルティス自身の疲労も濃く、追撃打が出なかった。
 9回、ややダメージが抜けたのかワイルダーは牽制の左ジャブを出して距離とタイミングをとる。ラウンド終盤、ワイルダーの右をテンプルに受けたオルティスが後退したが、それ以上のシーンに繋げることはできなかった。
 再び流れが王者に傾きかけて迎えた10回、ワイルダーがロープ際で右カウンターをクリーンヒットするとオルティスはぐらついてロープにもたれた。なおも追撃を狙ったワイルダーは強引に相手を叩き落としたが、 これはスリップダウンと判定された。再開後、ダメージのある挑戦者にワイルダーは右から左、右と連発してダウンを奪った。膝から崩れたオルティスは辛うじて立ち上がったが、ワイルダーは右で相手をロープに追い込んだ。ここで前のめりになったオルティスに右アッパーを突き上げ、このラウンド2度目のダウンを奪った。ここでレフェリーがノーカウントで試合を止めた。
 勝ったワイルダーはリング上で「オルティスは強かった。また彼にはチャンスを与えてほしい」と敗者を持ち上げたが、話がジョシュアに及ぶと自信を隠そうとはしなかった。「いま戦ってもいい。体重も大事だが、ハートが強いほうが勝つんだ。私がトップだ」と吠えた。これで7連続KO防衛となり、戦績を40戦全勝(39KO)に伸ばした。オルティスは31戦28勝(24KO)1敗2無効試合。

 セミではIBF(国際ボクシング連盟)スーパーミドル級暫定王者アンドレ・ディレル(米)対ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ/メキシコ)のタイトルマッチが行われた。両者は昨年5月に対戦しており、ウスカテギが8回終了ゴング後のパンチでディレルを“KO”、失格となりディレルが暫定王者になった。しかし、直後にディレルのトレーナーがウスカテギに左フックを浴びせたため、さらなる混乱に陥り両者間の因縁が深くなった。
 そんな因縁含みの再戦は、ウスカテギがプレッシャーをかけるかたちで始まった。サウスポーのディレルは慎重に右ジャブを突いて距離をとり、リスクを小さく抑える策を選択したようだ。3回終了と同時にウスカテギの右ボディブローを浴びたディレルが左ひざをついたようにも見えたが、そのままスルーされた。しかし、これを機にウスカテギの攻撃が上下に散るようになり、ディレルの被弾数が増すことになった。ウスカテギが前進、ディレルが距離をとるという展開は中盤になっても変わらなかったが、8回が終わるとディレルが続行を諦めた。8回終了TKO勝ちを収めて雪辱を果たすとともに暫定王座を獲得したウスカテギは29戦27勝(23KO)2敗、ディレルは29戦26勝(16KO)3敗。

 前座には村田諒太(帝拳)のスパーリング・パートナーを務めたWBCスーパーウェルター級27位のパトリック・デイ(米)が出場、カイロン・デービス(米)を相手にWBC米大陸王座の初防衛戦を行い、10回判定勝ちを収めた。98対92、97対93、96対94のスコアで三人のジャッジから支持を受けたデイは18戦15勝(6KO)2敗1分、デービスは15戦13勝(5KO)2敗。
 同じく前座ではセルゲイ・デレビャンチェンコ(ウクライナ/米)がデイション・ジョンソン(米)に6回終了TKO勝ちを収めた。IBFミドル級1位のデレビャンチェンコは12戦全勝(10KO)、ジョンソンは49戦22勝(7KO)23敗3分1無効試合。


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