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IBF(国際ボクシング連盟)ウェルター級タイトルマッチ、王者ケル・ブルック(31=英)対挑戦者同級1位エロール・スペンス(27=米)の12回戦は27日(日本時間28日)、英国シェフィールドのブラモール・レーン・サッカー場で行われた。昨年9月にミドル級王座に挑んでゲンナディ・ゴロフキン(35=カザフスタン/米)に5回TKO負けを喫したブルックが再起とV4を飾ったのか、それともスター候補のスペンスが敵地で王座奪取を成し遂げたのか。セミではジョージ・グローブス(29=英)対ヒョードル・チュディノフ(29=露)のWBA(世界ボクシング協会)スーパーミドル級スーパー王座決定戦も行われた。
〇エロール・スペンス(米)
11回1分47秒TKO
×ケル・ブルック(英)
〇ジョージ・グローブス(英)
6回1分14秒TKO
×ヒョードル・チュディノフ(露)
ブルック対スペンスのIBFウェルター級タイトルマッチは予想どおりの激戦になった。サウスポーのスペンスが右ジャブからボディ狙いで攻めると、ブルックは相手の顔面に右強打を狙うというスリリングな攻防となる。徐々に優勢を印象づけていったのはスペンスで、ボディに的を絞りながら機をみて顔面にもパンチを打ち分けた。8回になるとブルックの左目周辺の腫れが目立つようになり、挑戦者のリードがより明白になった。迎えた10回、スペンスが連打を浴びせるとブルックが膝をつくダウンを喫した。これで事実上の勝負は決まり、続く11回にスペンスが攻めるとブルックは左目を気にする素振りをみせながら自ら膝をついてしまった。レフェリーはダウンとみなしてカウントを数え始めたが、ここでセコンドが棄権を申し出て試合は終わった。10回までの採点は97対92、96対93、95対94でジャッジ三者ともスペンス優勢だった。敵地で価値ある勝利で戴冠を果たしたスペンスは22戦全勝(19KO)、4度目の防衛に失敗したブルックは38戦36勝(25KO)2敗。
スーパーミドル級のスーパー王座決定戦はチュディノフがプレッシャーをかける展開となり、距離を潰されたグローブスは序盤から受けに回ることになった。チュディノフが主導権を握るなかグローブスは4回にバッティングで左目上をカットするなど旗色は悪かった。5回、両者は激しい打撃戦を展開して6回に入る。この回、グローブスは上下に連打を叩き込み、チュディノフをグロッギー状態に追い込んでレフェリー・ストップに持ち込んだ。4度目の挑戦で世界王座を手にしたグローブスは29戦26勝(19KO)3敗。返り咲きを狙って15ヵ月ぶりのリングに上がった元王者のチュディノフは16戦14勝(10KO)2敗。