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15年のフロイド・メイウェザー(米)対マニー・パッキャオ(38=比)のような世界を揺るがすようなメガファイトこそなかったものの、16年の世界のボクシング界はまずまず充実していたといえる。パッキャオの引退と復帰、ゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/米)とサウル・カネロ・アルバレス(26=メキシコ)の並走、テレンス・クロフォード(29=米)やローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)の活躍、さらにアンソニー・ジョシュア(27=英)やワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ)ら五輪組の戴冠と話題の多い一年だった。
デオンタイ・ワイルダー
16年に奮闘が目立ったトップ選手のひとりとして、ヘビー級のWBC王者デオンタイ・ワイルダー(米)を挙げたい。ワイルダーは1月にアルツール・スピルカ(ポーランド)の挑戦を9回KOで退け、7月にはクリス・アレオーラ(米)を8回終了で棄権に追い込んだ。ただ、このアレオーラ戦で右拳と右上腕を痛めたため戦線離脱したのが惜しまれる。すでにリハビリを経てトレーニングに戻っており、来年2月にはV5戦を行う予定だ。
アンドレ・ウォード
ライトヘビー級ではアンドレ・ウォード(米)がセルゲイ・コバレフ(露/米)を際どい判定で破ってWBA、IBF、WBO3団体王座をさらったが、ダウンを喫したすえの微妙な勝負だったこともあって評価がともなっていない。コバレフとの再戦が望まれるところだが、ウォードが応じるかどうか。さらに課金システムのペイ・パー・ビュー(PPV)でのテレビ視聴件数の数字が悪かったこともあり、再戦は微妙なところといえる。
ホルヘ・リナレス
パッキャオが戻ってきたウェルター級では、ブルックとカーンがミドル級で冒険マッチに臨んだが結果を残せなかった。年初にWBC王座についたダニー・ガルシア(米)は試合枯れ状態になり、WBA王者のキース・サーマン(米)は交通事故の影響もあって今年は6月のショーン・ポーター(米)戦だけに終わった。この両者が来年3月4日、統一戦で拳を交えることになっている。これに成長株のスペンスがどう絡んでいくのか、来年はウェルター級トップ戦線が再び賑やかになりそうだ。
ライト級はホルヘ・リナレス(帝拳)が右拳の負傷のため一時的に戦線離脱したが、9月にはWBA王者アンソニー・クロラ(英)に判定勝ちを収めて復帰。来年3月には再戦が内定している。9月にIBF王座についたロバート・イースター(米)は伸びしろを残した25歳で、このあとさらに成長する可能性がある。
フェザー級にはカール・フランプトン(英)が参入してきて、7月にはレオ・サンタ・クルス(メキシコ/米)からWBAスーパー王座をもぎ取った。この階級には12月にヘスス・クェジャル(亜)を破ってWBAのレギュラー王座についたアブネル・マレス(メキシコ)、ケガから復帰するWBC王者ゲイリー・ラッセル(米)もおり、なかなか賑やかになりそうな気配だ。
ライト級はホルヘ・リナレス(帝拳)が右拳の負傷のため一時的に戦線離脱したが、9月にはWBA王者アンソニー・クロラ(英)に判定勝ちを収めて復帰。来年3月には再戦が内定している。9月にIBF王座についたロバート・イースター(米)は伸びしろを残した25歳で、このあとさらに成長する可能性がある。
フェザー級にはカール・フランプトン(英)が参入してきて、7月にはレオ・サンタ・クルス(メキシコ/米)からWBAスーパー王座をもぎ取った。この階級には12月にヘスス・クェジャル(亜)を破ってWBAのレギュラー王座についたアブネル・マレス(メキシコ)、ケガから復帰するWBC王者ゲイリー・ラッセル(米)もおり、なかなか賑やかになりそうな気配だ。
山中慎介
軽量級ではゴンサレスとともに山中慎介(帝拳)の奮闘も忘れてはなるまい。3月のV10戦は2度のダウンを喫するなど不本意な判定勝ちに留まったが、9月のアンセルモ・モレノ(パナマ)との再戦では4度のダウンを奪って7回TKO勝ち、みごとな“亡霊狩り”をやってのけた。山中自身も4回にダウンを喫するというスリリングな試合だった。
こうした一方、今年のボクシング界は相次ぐドーピング違反に揺れた一年でもあった。特にヘビー級トップ戦線に絡んでいたルーカス・ブラウン(豪)、アレクサンデル・ポベトキン(露)は、ともに2度の陽性反応が出て王座の認定やイベント開催にも大きな打撃を与えた。タイソン・フューリー(英)もコカイン吸引を認め、自らWBAスーパー王座とWBO王座を返上した。このほかルシアン・ビュテ(ルーマニア/カナダ)、フェリックス・シュトルム(独)、フランシスコ・バルガス(メキシコ)といった現役王者、元王者のドーピング違反も報じられた。こうした事態を重くみたWBCは任意の反ドーピング協会VADAと提携して「クリーン・ボクシング・プログラム(CBP)」を打ち出した。同意の意思と書類提出をしなかった選手をランキングから締め出すなど厳しい態度で臨んでおり、一定以上の効果が期待されている。
こうした一方、今年のボクシング界は相次ぐドーピング違反に揺れた一年でもあった。特にヘビー級トップ戦線に絡んでいたルーカス・ブラウン(豪)、アレクサンデル・ポベトキン(露)は、ともに2度の陽性反応が出て王座の認定やイベント開催にも大きな打撃を与えた。タイソン・フューリー(英)もコカイン吸引を認め、自らWBAスーパー王座とWBO王座を返上した。このほかルシアン・ビュテ(ルーマニア/カナダ)、フェリックス・シュトルム(独)、フランシスコ・バルガス(メキシコ)といった現役王者、元王者のドーピング違反も報じられた。こうした事態を重くみたWBCは任意の反ドーピング協会VADAと提携して「クリーン・ボクシング・プログラム(CBP)」を打ち出した。同意の意思と書類提出をしなかった選手をランキングから締め出すなど厳しい態度で臨んでおり、一定以上の効果が期待されている。
エイドリアン・ブローナー
また、世界戦やそれに準じた試合での計量失敗、失格が今年も多かった。世界戦ではWBAスーパーライト級スーパー王者だったエイドリアン・ブローナー(米)が4月1日の防衛戦を前に体重超過のため失格。6月には井上尚弥(大橋)への挑戦者を決める試合を前にポール・バトラー(英)が失格。さらに11月には岩佐亮佑(セレス)とIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦を行うはずだったルイス・ロサ(米)も規定体重をつくれなかった。ブローナーは9回TKO勝ちを収めたものの、ほかの2カードは試合そのものがキャンセルになった。また、12月10日には英国でWBA世界スーパーフライ級王者のルイス・コンセプション(パナマ)が体重オーバーのため王座を剥奪され、試合でも完敗。同じ日、米国ではクロフォードの持つWBC、WBO世界スーパーライト級王座に挑むはずだったジョン・モリナ(米)が前日の計量でギブアップ。戦う前から挑戦権を失い、試合でも8回TKO負けを喫した。このほかにも3月に前IBF世界ミドル級王者デビッド・レミュー(カナダ)が契約体重に落としきれず、試合がキャンセルになるというトラブルもあった。
ドーピング問題にしろ計量問題にしろ、トップ選手のプロ意識、ルール順守の意識が厳しく問われるところといえる。2017年はこうしたトラブルのない年であってほしいと願うばかりだ。
ドーピング問題にしろ計量問題にしろ、トップ選手のプロ意識、ルール順守の意識が厳しく問われるところといえる。2017年はこうしたトラブルのない年であってほしいと願うばかりだ。