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15年のフロイド・メイウェザー(米)対マニー・パッキャオ(38=比)のような世界を揺るがすようなメガファイトこそなかったものの、16年の世界のボクシング界はまずまず充実していたといえる。パッキャオの引退と復帰、ゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/米)とサウル・カネロ・アルバレス(26=メキシコ)の並走、テレンス・クロフォード(29=米)やローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)の活躍、さらにアンソニー・ジョシュア(27=英)やワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ)ら五輪組の戴冠と話題の多い一年だった。
16年のボクシング界で最も衝撃的だったのは、元世界ヘビー級王者モハメド・アリ氏(米=享年74)死去のニュースだった。40代からパーキンソン氏病に罹患していたアリ氏だが、まだ逝くには早過ぎたといえる。ボクシング界、スポーツ界の枠を超え世界的なニュースでもあった。
マニー・パッキャオ
現役組では、まずパッキャオの引退と復帰が話題になった。6階級制覇を成し遂げているパッキャオは10年からフィリピンの下院議員としても活動していたが、今年5月には上院議員選挙に出馬するため、4月のティモシー・ブラッドリー(米)戦を最後に引退することになった。試合では2度のダウンを奪って圧勝、選挙でも当選を果たし、ひとつの時代が幕を下ろしたかと思われた。しかし、7月ごろから復帰が囁かれ始め、8月にはパッキャオ自身も本格的なトレーニングを開始。そして11月にはジェシー・バルガス(米)戦で復帰を果たした。この試合でWBO世界ウェルター級王座に返り咲いている。バルガス戦の3週間後には原宿にジムを開設するためPRを兼ねて来日。その際には「次戦は4月か5月」と話していた。
ケル・ブルック
ゴロフキンは2度の防衛をいずれもKO(TKO)で終わらせ、連続KO勝ちを23、連続KO防衛を歴代1位タイの17に伸ばした。4月のドミニク・ウェイド(米)戦はIBFの指名試合、9月のIBF世界ウェルター級王者ケル・ブルック(英)戦は階級を超えた全勝王者同士の対決として注目されたが、ゴロフキンの強さ、頑丈さがあらためて証明されることになった。12月にも試合を計画していたが、これは交渉がまとまらず来春に持ち越された。
そのゴロフキンと離れずに並走しているのがアルバレスだ。今年、アルバレスも5月にWBC世界ミドル級王座の防衛戦としてアミール・カーン(英)との階級差のある仰天マッチに臨み、スピードに苦しめられたものの6回に右一発で失神させた。ミドル級王座を返上後、9月にはリアム・スミス(英)の持つWBO世界スーパーウェルター級王座に挑み、3度のダウンを奪って9回KO勝ちを収めた。この試合で右拳を痛めたため12月に計画していた次戦はキャンセルになった。来年はゴロフキンが3月、アルバレスが5月に試合を予定しており、ともに大きな負傷なく勝ち進めば9月に直接対決という流れになりそうだ。
そのゴロフキンと離れずに並走しているのがアルバレスだ。今年、アルバレスも5月にWBC世界ミドル級王座の防衛戦としてアミール・カーン(英)との階級差のある仰天マッチに臨み、スピードに苦しめられたものの6回に右一発で失神させた。ミドル級王座を返上後、9月にはリアム・スミス(英)の持つWBO世界スーパーウェルター級王座に挑み、3度のダウンを奪って9回KO勝ちを収めた。この試合で右拳を痛めたため12月に計画していた次戦はキャンセルになった。来年はゴロフキンが3月、アルバレスが5月に試合を予定しており、ともに大きな負傷なく勝ち進めば9月に直接対決という流れになりそうだ。
テレンス・クロフォード
MVP級の活躍をしたのがWBC&WBO世界スーパーライト級王者のクロフォードだ。2月にヘンリー・ランディ(米)を一蹴したクロフォードは、7月にはWBC王者のビクトル・ポストル(ウクライナ)と対戦。長身の技巧派に苦戦も予想されたが、2度のダウンを奪って圧勝、WBOに加え2冠王者になった。12月にはジョン・モリナ(米)をTKOで退け、通算4度目の防衛に成功している。パッキャオの近い将来の対戦相手候補としても名前が挙がっており、来年はさらなる飛躍が期待される。
ローマン・ゴンサレス
軽量級ではゴンサレスが奮闘した。4月のマクジョー・アローヨ(プエルトリコ)戦、9月のカルロス・クアドラス(メキシコ)戦とも判定勝ちに留まったが、4階級制覇を成し遂げ、デビューからの連勝を46(38KO)に伸ばした。6月と11月に来日したのは記憶に新しいところだ。来年はWBO王者の井上尚弥(大橋)との統一戦が具体化しそうだ。