自分に勝つ

　試合を5日後に控えた18日、IBF世界スーパーバンタム級王者、キコ・マルチネス(28=スペイン)に挑戦する元2階級制覇王者、長谷川穂積(33=真正)が神戸市内の真正ジムで練習を公開した。進退をかけるこの試合。「余裕」をテーマに順調な調整をすすめてきた長谷川はこの日も落ち着いた様子で眈々とやるべきことをこなした。

　練習前に会見を開いた長谷川は「調整も順調にいきましたし、あとはしっかり疲れをとりながらウェイトを落としていくことだけです」と痩けた頬をさすると「100%満足いった練習ができました。今のウェイトも2kgオーバーなので問題ありません」と笑みもこぼれた。

　王者の印象をきかれると「紙面等を見ると頭の良い真面目なコメントをしていた。チャンピオンにふさわしいと思いましたし、挑戦できることを光栄に思います」と敬意を示した。
　その上で長谷川は「今回の試合は自分に勝ちたいと思います」と会見を締めくくった。

　会見に同席した山下正人会長は「自分としては完璧な出来だと思います。王者は勢いづけたらうるさいから前半は足を使って中盤から後半にかけて王者が疲れたところで打ち合いにいくつもりです」と試合プランを明かした。

　常に行動をともにする中辻啓勝マネージャーは「結果が全てです。あと残りの日々も自分のできることすべて全力でやります」と気合を入れた。
　元世界王者で同門のマルコム・ツニャカオ(37=真正)は「ハセガワはしっかり仕上がっている。彼の今の状態は最高だと思う」と長谷川の王座奪還に太鼓判を押した。

　会見を終えた長谷川はシャドーを3R、ミット打ちを4R、バック打ちを2R。その後サウナルームでバイシクルとストレッチを30分消化して、この日の練習を終えた。
　世界王座奪還がかかる決戦は23日、大阪城ホールにて。放送は日テレ。