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10日に行われた日本フライ級タイトルマッチでは、4度目の防衛を目指す王者の粉川拓也(28=宮田)にタイトル初挑戦の村中優(28=フラッシュ赤羽)が指名挑戦者として挑んだ。この日はWBCユース世界タイトル、東洋太平洋タイトルのトリプル王座戦とあって会場の後楽園ホールはほぼ満員。一番の歓声は稀に見る接戦となったこの試合に送られた。
3Rに粉川がダウン
懐深くジャブを突き、ヒット&ウェイの戦法をとる粉川に対し、村中は後手にまわりながらもガードを固め好戦的に前へ出る。すると3R、打ち終わりを狙っていた村中は、左からの返しの右フックがタイミングよく決まり粉川からダウンを奪う。王者はこのラウンドを凌ぎ立て直すと、出入りを繰り返しながらも瞬発力で上回る村中と次第に意地の真っ向勝負に打って出る。手数では負けていなかった粉川は、ストレートで村中を仰け反らせもしたが、右の有効打は挑戦者が上回る。
新王者誕生!
最後まで攻撃の手を休めず、フルラウンドを戦い抜いた両者の勝敗は判定に委ねられた。判定は1者が粉川を支持するも2者が村中を支持。全て1ポイント差の判定2-1で、新チャンピオン村中が誕生した。
破れた粉川
4度目の防衛ならず。僅差で破れた粉川は、判定の結果に「ダウンも取られたし仕方がない」と受け入れた。「自分が弱かっただけ。村中選手は良いファイターだった」と語るに止まり、今後については「とりあえずゆっくり休みます」とだけ答えた。
信じられないと村中
一方、一発で王座獲りをはたした村中は、「負けたと思った。信じられない、運が良かった」とベルトを見つめ喜び、この日一番の応援に感謝した。粉川については「もっとパンチが当たると思っていたが、距離がやりにくかった。先手、先手で行くつもりがさせてもらえなかった。粉川選手は強かった、今日の勝利はギリギリです」と称えた。
村中ももう二児の父
来年でデビュー10年目を迎える村中は「ここまで長かったが、応援してくれる人たちのためにも次のステップを目指します」と、早くも世界を見据えた。新王者となった村中は、今日のチャンピオンカーニバル発表会で元日本ライトフライ級王者の黒田雅之(川崎新田)との初防衛戦が決まった。