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井上尚弥(20=大橋)の弟で、高校時代には2冠を獲得するなど輝かしい実績を残した井上拓真(17=大橋)が21日、後楽園ホールで日本ボクシングコミッション(JBC)の公開プロテストに臨んだ。拓真は、この日行われたB級プロテストを合格すると12月6日にプロデビュー戦を予定している。
スパーリングのあとはシャドーのテスト
拓真は観客の前でWBA世界フライ級6位の村中優(28=フラッシュ赤羽)と3分3Rのスパーリングテストを行い、前後の素早い動きから手数で村中を上回ると、村中の右にカウンターを合わせるなどレベルの高さを見せた。圧され気味の村中は、後半に入ると世界ランカーの意地からか圧力を強めるが、拓真も持ち前の気の強さで一歩も引かず、果敢に打ち合ってみせた。
荒削りだが凄い17歳と村中
兄の尚弥(20=大橋)とはスパーリングで手を合わせている村中だが、拓真の相手は初めて。終了後は「あれで17歳だと思うと恐ろしい」と新たな"怪物"出現に驚いた。さらに、拓真の良さを「距離とパンチを含めたスピード。力はすでに日本ランカークラス」とし、気の強さは兄以上と評価した。
「荒削りなところはあるが、それが伸びしろ。フライ級には来てほしくないな」と本音もチラリとのぞかせた村中は12月10日、後楽園ホールで粉川拓也(宮田)が保持する日本王座挑戦を控えている。
「荒削りなところはあるが、それが伸びしろ。フライ級には来てほしくないな」と本音もチラリとのぞかせた村中は12月10日、後楽園ホールで粉川拓也(宮田)が保持する日本王座挑戦を控えている。
テスト終了直後の拓真
U-15以来、久しぶりの後楽園ホールのリングに少し硬くなったという拓真だが「(村中に)いなされて終りかと思ったが、集中して攻撃的な面が出せた。自信にもなりました」と世界ランカーとの互角のスパーリングに手応えを掴んだ。
父でトレーナーの真吾氏のアドバイスを受ける
最後の打ち合いについては「理想は打たせずに打つボクシングですが、打たれるとムキになってしまう」と反省したが、それも今の拓真の良さだろう。最後に「ライバルは兄。見た人たちにもう一度見たいと思うような試合がしたい」とプロでの抱負を語った。
合格証を手に喜びの拓真
この後、テストの結果発表がリング上で行われ、拓真は晴れてB級合格。続いて12月6日のデビュー戦の相手もアナウンスされ、拓真は日本ミニマム級8位の福原辰弥(本田フィットネス)と対戦することが決まった。