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都内の有明コロシアムで、ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(三迫)が、現OPBF東洋太平洋同級王者の柴田明雄(ワタナベ)を相手に、プロデビュー戦(73kg契約=6R)に臨み、2回2分24秒にTKO勝ちを収めた。
試合開始のゴングが鳴ると、村田は上体を振って前進する。そしてけん制気味に2度の右ストレートを伸ばすと、それが綺麗にヒットして、柴田の目がやや弱気になった。そこへ付け込まない理由はないと言わんばかりに、村田はブロッキングを固め、五輪で見せたようなスタイルで、前進していく。
試合後に「今日は80点くらいもらってもいいですか?」と、少し誇らしげにした村田が「残り20点は雑になったことや相打ちがあったこと」と振り返ったように、村田のパンチは、ここから一見して強振になっていく。一方で、得意の薄ら笑いなどで、柴田を精神的に追いこむ冷静さもあった。
「あの笑みは、1ラウンドに柴田さんがいいカウンターで合わせてきたので、“それを打っても意味がないぞ”と思わせるためだった」(村田)
試合後に「今日は80点くらいもらってもいいですか?」と、少し誇らしげにした村田が「残り20点は雑になったことや相打ちがあったこと」と振り返ったように、村田のパンチは、ここから一見して強振になっていく。一方で、得意の薄ら笑いなどで、柴田を精神的に追いこむ冷静さもあった。
「あの笑みは、1ラウンドに柴田さんがいいカウンターで合わせてきたので、“それを打っても意味がないぞ”と思わせるためだった」(村田)
初回の終盤、柴田の打ち終わりに村田が右ストレートを打ち込むと、ふっ飛ばされるかのように、現役の東洋太平洋王者がキャンバスへ沈んだ。立ち上がった柴田は、なんとかこの回を逃げきったが、決着は時間の問題に思われた。
2回が始まっても、村田の前進は止まらない。再三顔面をとらえてきた右ストレートから、伝家の宝刀である左ボディへつなげると、柴田の足元がおぼつかなくなり、これ以上はダメージを蓄積するだけだと判断したレフェリーが、ついに試合を止めた。
「(柴田について)試合前はパンチがないので余裕だと思っていた。でも、薄いグローブだと、戦い方を知っているさすがのチャンピオンでした。アウトボクシングも巧かったし、僕にとっても成長する試合でした」
試合後、村田は安堵の表情で柴田に感謝の意も口にした。
ボクシング関係者の間では、アマからプロへルールが変わり、そのためにスタイルを修正すれば、村田のボクシングが崩れるのではないかという懸念があった。だが、この日、ボクシング・スタイルが崩れたのは、柴田のほうであり、村田は、ほぼアマのままのスタイルだった。
2回が始まっても、村田の前進は止まらない。再三顔面をとらえてきた右ストレートから、伝家の宝刀である左ボディへつなげると、柴田の足元がおぼつかなくなり、これ以上はダメージを蓄積するだけだと判断したレフェリーが、ついに試合を止めた。
「(柴田について)試合前はパンチがないので余裕だと思っていた。でも、薄いグローブだと、戦い方を知っているさすがのチャンピオンでした。アウトボクシングも巧かったし、僕にとっても成長する試合でした」
試合後、村田は安堵の表情で柴田に感謝の意も口にした。
ボクシング関係者の間では、アマからプロへルールが変わり、そのためにスタイルを修正すれば、村田のボクシングが崩れるのではないかという懸念があった。だが、この日、ボクシング・スタイルが崩れたのは、柴田のほうであり、村田は、ほぼアマのままのスタイルだった。
「アメリカで色々なタイプの選手とスパーリングをしたから、他のスタイルもできる。ただ、現役の世界王者でもピーター・クイリン(アメリカ=WBO王者)にはスピード、ゲナディ・ゴロフキン(カザフスタン=WBA王者)にはプレッシャーで勝てないことは分かっている。でも、オリンピックでも、僕は永遠に勝てないといわれた選手たちに、最終的に勝って金メダルを取った。プロでも世界一になりたいし、誰もが認めるチャンピオンになりたいです」
初陣を飾った大物が、改めて野心をぎらつかせた。
初陣を飾った大物が、改めて野心をぎらつかせた。