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WBA女子世界ミニマム級タイトル戦が23日、東京ビッグサイトで行われた。10度目の防衛に挑んだ王者・多田悦子(フュチュール)と3度目の来日となった元世界王者のアナベル・オルティス(メ)の一戦は女子ボクシングファンの注目を集めた。
試合が始まるとサウスポーの多田を誘い入れ、カウンターを的確にヒットしたオルティス。それでも終盤は多田の左ストレートが挑戦者をとらえ始めたが、1ラウンド2分で行われる女子の試合では攻めつくすだけの時間的猶予はなかった。攻めあぐむ王者は最終の10ラウンドまでオルティスを打ち崩すには至らなかった。勝負は判定1-2(97-93,94-96,94-96)でオルティスが王者返り咲きに成功した。
多田悦子、初黒星
「ポイントは取ったと思ったけど結果がすべて。でも、やりきった感はないです」と初黒星に下を向いた多田だったが「メキシコ製のグローブの方がいい。スリル満点で左ストレートが当たった時に感触があった」と初体験の感触を口にした。階級を下げての複数階級制覇にも意欲を示していた9度防衛チャンピオンだが「再戦できるなら右をもっとバシバシあてに行く」と敗戦を悔やみ「ボディが効いていたのがわかったので左ストレートボディを中心にポイントを狙ったが、むきにならないようにしていた」と試合の組み立てと試合中の心境を明かした。「パンチはまともにもらってないし、ダメージも全くない」という多田は「できるのであればリベンジしたい」と再戦を求めた。
新チャンピオン
「泣きたいほどうれしい。このベルトはみんなで力を合わせてとったものです」と王座奪還の心境とチームへの感謝を語った新王者は「向こうの動きを見て、我慢して待って2ラウンドからイメージどおりの動きができた」と勝因を明かした。トレーナーからは、判定で勝つのは難しいと言われていたというオルティスは「前半が大事。5ラウンドまで頑張って自信がついた」と試合を振り返り、多田との再戦に話が及ぶと「多田は素晴らしい選手。自分では決められないが、言われたらやる」と話した。亀田プロモーションと契約を結んだ新王者は「これからも日本に何回も試合をしに来たい」と抱負を語った。
安藤麻里
リング下で試合を観戦した多田のジムメイトで8月18日に韓国でWBO女子世界ミニマム級王者に挑む安藤麻里は「(多田が)勝ったと思ったが、前半、打ち終わりにカウンターをもらったかも。でも、後半は相手のスピードもパンチの威力も落ちていたのでチャンスと思った」と試合を振り返り「自分が負けたぐらい悔しい」と肩を落とした。