8/25 村田VS柴田

　12年ロンドン五輪ミドル級金メダリスト、村田諒太(27=三迫)のプロデビュー戦が8月25日、東京・有明コロシアムで行われることになった。3日、主催の三迫ジム、帝拳ジムから正式発表があった。注目の対戦相手は、東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(31=ワタナベ)に決定。試合は73キロ契約の6回戦として行われる。

　会見は村田と柴田が同席して都内のホテルで行われた。金メダリストのプロ転向初戦の発表とあって注目度は高く、メディアと関係者ら約150人が集まった。テレビカメラ、スチールカメラの放列のなか登壇した村田はリラックスした様子だった。むしろ隣に並んだ柴田の方が緊張ぎみに見えた。

　デビュー戦の日程と相手が正式に決まったことに関して、村田は「デビュー戦の相手が柴田さんということで、光栄に感じると同時に恐縮しています。柴田さんは日本で一番強い選手。デビュー戦の僕が戦うのは失礼かとも思いますが、チャレンジなので全力を尽くします」と殊勝に語った。その間、表情は引き締まったり緩んだりと、ほどよくリラックスした印象だった。

　五輪前の昨年5月末、ふたりは3ラウンドのスパーリングをした経験を持つが、そのときは村田が圧倒したという。「でも、スパーをしたときから時間が経っているし、柴田さんはそれからタイトルを取っているので参考にはならないと思います。あくまでも僕は挑戦者です。本音を言えば、デビュー戦では楽をさせてくれという気持ちもあります」と会場の笑いを誘う場面もあった。

　注目のデビュー戦だけに「プレッシャーも感じる」という村田だが、「それ以上に挑戦者の立場なので楽しみの方が大きい」とも話す。柴田の印象については「距離をとるのが巧い選手で、ロングレンジのボクシングが多彩。最近は後半も強いので穴がないですね」と、リスペクトと同時に警戒もしている。五輪のミドル級よりも2キロ軽い73キロ契約の6回戦となるが、「スタミナにも自信があるので不安はありません」ときっぱり言い切った。 　これに対し、打診を受けた際に「やります」と即答したという柴田は「スパーではボコボコにやられました。こちらが挑戦者の気持ちです」と、こちらも相手に最大限の敬意を払っていた。「(スパーで)こんなに強い人がいるんだと、逆に活力をもらいました。自分がどこまで行けるか、そして自分が強くなるためにボクシングをやっているので、金メダリストと戦えるなんて、こんなに光栄なことはありません」と大歓迎といった様子だった。最初は緊張気味だった表情も徐々に柔らかくなっていった。

　柴田は29戦21勝(9KO)7敗1分の右ボクサーファイター型で、この5月に淵上誠(八王子中屋)を破って東洋太平洋ミドル級王座を獲得したばかり。09年から10年にかけてはスーパーウェルター級の東洋太平洋王座と日本王座を同時に保持していたこともある。また、現在は日本スーパーウェルター級の王座保持者でもある。そんな柴田にとっても今回の試合はキャリア最大の注目ファイトになる。「村田選手は体力も技術もあり、ステップも巧みでパンチも速い。その強さを肌で感じているだけに怖さもあります。でも最大のチャンスでもあると思います」と、こちらも試合を楽しみにしている様子だ。
　チケットはリングサイドSRA席2万円、SRB席1万5000円、スタンド指定席S2万円、同A1万5000円、同B1万円、同C5000円の6券種。チケットに関してはチケットぴあの独占販売となる。
試合の模様はフジテレビが放送の予定。