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今夜、後楽園ホールの「MG-1」では、日本フライ級王者・粉川拓也(宮田)と、最強後楽園覇者・池原繁尊(横浜光)のメインイベントが開催された。
2度目の対戦となった今回のタイトルマッチには、両雄それぞれの思いが込められていた。
2度目の対戦となった今回のタイトルマッチには、両雄それぞれの思いが込められていた。
試合後の両雄
ジャブで距離を詰める粉川に対し、池原も距離を詰め、左フックから右を狙う。2R、開始直後、池原の右ストレートが、粉川を捕えダウンを奪う。試合再開後、連打で追い込む池原だが、粉川も反撃。3R、粉川は距離をとり、的確に左右の有効打を積んでいく。中盤、距離を潰しボディからの連打を浴びせる池原だが、粉川は距離をとりアッパー・ワンツーで迎え打ち有効打を奪う。池原が距離を詰め、粉川が距離をとる展開が続く。試合が動いたのは最終ラウンド。開始直後より粉川が連打で前に出ると、池原はこれをまともにもらいダウン。すかさずレフェリーが試合を止め、粉川が3度目の防衛を成し遂げた。
池原繁尊
ダウン後、担架を用意されたものの、自分の足で控え室に戻った池原繁尊は、記者陣に対し「なかなか上手くいかないもんですね」と言葉少なに語ると、しばらくの沈黙の後、「引退です。メキシコのタイトル入れたら5回目ですし、2度目の対戦ですし、もう終わりです」と心情を明かした。「全て出し切ったというイメージとは違うが、自分の思った動きもできない。それはもしかしたら衰えなのかもしれないし、昔ほどガンガン行こうと思ったができないですね。昔ならもっと勢いがあったと思うけど・・・全然ダメでしたね。相手が上手かったのかもしれないし。今回は良い練習もできたし、体調もベストでした。それでこれだから・・・。迷いはないです」晴れやかな表情で語った池原だったが、「ただ、応援してくれた人達に申し訳ないですね。負けてもずっと応援してくれてたので。ベルト巻いてるところみせたかったです。それが一番悔しいです」と心残りも打ち明けた。
池原繁尊(横浜光)
「次の人生でチャンピオンになります。今後の予定は決めてないけど、まあ、ゆっくり考えます」とコメントを残し会見は終了した。
静まる控え室の中、池原の爽やかな笑顔が印象的だった。
静まる控え室の中、池原の爽やかな笑顔が印象的だった。
粉川拓也(宮田)
見事、3度目の防衛を成し遂げた粉川拓也は「応援が聞こえて手が出せました。今回も苦しんだ、自分の調整も悪かった。自分のパンチもジャストミートしてなかったのもあるけど、相手の気持ちが強かった。前回よりもスタミナも手数もあった。」と激戦を振り返り、試合を決めた最終ラウンドについては、「自分も当ててはいたが、ダウンを取られているので判定にいったら負けると思ったからいった。練習してたパンチが自然に出た。勝って最高です」笑顔をみせた。
粉川拓也(宮田)
記者陣から世界挑戦の可能性を聞かれると「今日の試合内容じゃ世界とは言えない。スタミナが少し切れたし、見栄えが良くない、もうちょい上手く捌けたかと思う」と課題を語ると、「ただ3回防衛したしKOで勝てたし、そろそろ、世界を狙うと言ってもいいのかなと・・・どうですかね?」と記者陣に訪ねたが、答えを待たずに、「やっぱり、世界戦はやりたいですね。世界戦に限らず、どんな試合でもしっかりやりたいです」と心情を明かした。
今夜の戦いで、一人は引退を決意し、一人は更なる高みを目指すことを決意した。両雄にエールを送りたい。
今夜の戦いで、一人は引退を決意し、一人は更なる高みを目指すことを決意した。両雄にエールを送りたい。