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2013年のボクシング年初めは、1月5日に日本ボクシングの聖地《後楽園ホール》で開催されるフェニックスバトル41。6月20日に日本中のボクシングファンに注目された八重樫東と、10月にノックアウト勝利でプロデビューを果たし、月間MVPという快挙で一躍時の人となった井上尚弥が10日、両選手が所属する大橋ジムで公開スパーリングを行った。
豪華スパー
公開スパーの前に行われた記者会見で井上は「調整はバッチリ。八重樫さんから接近戦の技術を吸収したい。」と話していたとおり、今日の公開練習では、元世界王者の八重樫に胸を借りた井上尚弥は、勢いよく八重樫の胸元に踏み込んで接近戦の感触を確かめていた。
井上親子
5ラウンドの公開スパーだったが、インターバル中には井上尚弥の父でトレーナーの真吾氏から「打った後に同じところにいるな。打ち終わりに動きが止まるとパンチを返される」と接近戦で詰めた後の立ち位置と動きに関して、厳しい注文も入った。それでも、次世代のエースはスパー中に徐々に修正し、八重樫の返しの左フックが空を切る場面もあり、身体能力と適応能力の高さを示した。
大橋会長
この日のスパーリングでは時折、激しく打ち合うことも多かったが、大橋会長によると「八重樫が隙をついて打っている。二人がやるといつもあんなふうに打ち合いになるんですよ。面白いですよ。」と軽量級のトップ戦線で切磋琢磨する両雄のさらなる活躍を期待した。
世界王座奪還へ
会見の席でも大橋会長は「尚弥が大橋ジムに入ってきて、いい刺激になっている。軽量級勢が格段に強くなっている。」と笑顔を見せ「八重樫と井上の二人には軽量級の未来が懸っている」と自信も現役時代にはフェニックスと呼ばれ、世界チャンピオン不在の日本ボクシング界の救世主として活躍しただけに、次世代エースの育成に余念はない。
八重樫東
この日の会見で八重樫は「(1月5日の復帰戦は)一方的に打って、打たれないで勝って、強い八重樫が帰ってきたといわれたい。」と元世界王者は向上心を忘れていない。「調子はボチボチ」といいながら見せた笑顔にいぶし銀の雰囲気が備わってきた。「1月5日はいい形で勝って、世界タイトル戦に絡んでいきたい」とベテランの域に入りつつある大橋ジムのエースが、来年の抱負を語った。