[試合後談話]2026.7.4
10年越しの執念が後楽園ホールを揺らした!

プロキャリア10年目の渡辺顕也(36=小熊)が4日、後楽園ホールで開催された「DYNAMIC GLOVE on U-NEXT 45」スーパーフェザー級6回戦で��橋泰征(26=本多)と対戦した。
ここまで18戦5勝(5KO)12敗1分で、今年でキャリア10年目を迎えた渡辺が、1年ぶりのリングに上がった。引退を考えた時期も乗り越え、積み重ねてきた思いを胸に立ったリング。サウスポー同士による一戦は、互いの意地が激しくぶつかり合う熱戦となった。
サウスポー同士の一戦は、高橋は左ボディストレートから右フックを叩きつけて、積極的な攻撃でペースを掌握。ガードで決定打を回避した渡辺だが、後手に回った。それでも3回になると、しつこく前進しながら左アッパー、ワンツーで反撃。4回には左ショートで高橋の腰を沈めさせた。6回、渡辺はギアを上げて、細かくパンチを集めて攻勢を強めたところで、レフェリーが試合をストップした。
キャリア10年で念願のA級昇格を決めた渡辺は「いつもはスロースタータだが、序盤から攻めることを心掛けた。後半、相手が嫌がっているのが分かった。今日は最後のつもりでリングに上がった。何とも言えない感情」と感無量の表情を浮かべた。
昨年7月の試合で敗れ、一度は引退を決意。それでもコンビを組む小久保聡トレーナーから「ここまできたらA級まで行こう」と背中を押され、再びリングに戻る決断を下した。
「小久保さんは酸いも甘いも知っている方。小久保さんがいなかったら、とっくに辞めている」と、長年支えてくれた恩師への感謝を口にした。
小久保トレーナーは現役時代、1勝7敗3分から連勝を重ね、日本ランカーまで駆け上がった苦労人。「渡辺君はパンチもスタミナもあるので、続けた方がいいよと伝えた。勝って本当に嬉しい」と、自身のことのように喜びを語った。
今後の目標について問われた渡辺は、最初は具体的な言葉を避けながらも、「ボクシングを続けるなら、イケるところまで行きたい」と静かに前を見据えた。
一方、悔しい結果となった高橋は「あと少しで勝てたが、足が止まってしまったので…。渡辺選手は打っても前に出てきた」と相手の粘りを認め、「これで3連敗だが、乗り越えていくしかない」と再起を誓った。
積み重ねた年月は決して裏切らない――。諦めかけた夢を再び追い続けた渡辺は、10年目にして新たなスタートラインへ立った。苦しみを知る者だけがたどり着ける景色を胸に、その挑戦はまだ終わらない。
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