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[セカンドキャリア]2026.6.30
引退後に選んだ新たなリング 川口勝太氏が児童発達支援施設を開設
川口勝太氏(41)
2021年9月の試合を最後にグローブを置いた元WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級暫定王者の川口勝太氏(41)。リングを降りた後に選んだ道は、競技の現場ではなく、子どもたちの成長を支える福祉の世界だった。
大阪市西区九条に児童発達支援・放課後デイサービス「RAS」を設立。運動を通じて子どもたちの可能性を引き出す療育に取り組み、ボクシングで培った経験も活用している。目指すのは勝敗を競う場ではなく、生きやすさを育む場所づくりだ。
【児童発達支援・放課後デイサービス「RAS」】
営業時間:火〜土 10:00〜18:00(定休日:木曜日)
住所:大阪市西区九条2-16-9
アクセス九条駅 徒歩3分
問い合わせ:
06-6964-8086
引退後に選んだ新たな挑戦
引退後について川口氏は、以前から独立を考えていたと明かした。「就職とかも考えず、引退したら自分で何かをやろうと思っていたので、会社を設立しました。パーソナルトレーナーをしていたり、いろいろなことをしていました」と、競技人生終了後すぐに次の挑戦へ動き出したことを振り返った。
現役時代から運動と身体への効果を学び続ける中で、新たな可能性に出会った。
「運動することは、脳に良いんです。3〜4年前に発達障害を持っている子どもたちの脳の発育に良いと知ってからやろうと思いました。発達障害の子ども向けの運動療育といって、医療と教育が一緒になった言葉です。運動の中にボクシングの動きを取り入れて療育しようと」と、競技経験を社会に還元する発想へつながった経緯を説明した。
子どもごとに異なるプログラム
対象年齢は3歳から18歳。利用には療育手帳が必要で、国の制度に基づいた事業として運営している。
「個別療育といって、マンツーマンでさせてもらっています。誰でも来られるわけではなくて、療育手帳を持っている子どもが対象になります」と、支援体制について語った。
マンツーマンで支援している
提供しているのは、ダンス療育、格闘療育、ボクサダンス、運動療育、ビジョントレーニングの5種類。それぞれの子どもの特性や状況に合わせて内容を組み立てている。
「例えば、暴力的な子にボクシングを教えたら親御さんも心配になるので、『これをしていいのはここの場所だけで、家に帰ってお父さんやお母さん、友達にしてはいけないと約束できる?』と話して、できる子だけ格闘療育をやっています」と、競技性だけではなく、ルールや責任も含めて伝えていることを明かした。
療育を通じて目指すものは、運動機能の向上だけではない。
「生きやすくするためのお手伝い」
「考え方とか生き方を学んでほしい。生きやすくすることへのお手伝いです」と、子どもたちの将来を見据えた支援への思いを口にした。
地域に開かれた場所へ
九条で施設を立ち上げるきっかけとなったのは、人とのつながりだった。
「福祉をしている廣嵜美輪さんに紹介していただきました。ラジオDJをやっている方で、3年前に思いを伝えたところ、『九条でするなら応援するよ』と言っていただきました」と、開設の背景を振り返った。
構想から開設まで3年かかった
構想から開設までは約3年。必要な資格を持つ人材の確保や体制づくりに時間を要した。
「資格を取得することや人を集めるのに時間がかかりました。まだ資格は取れていないのですが、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者を取るには時間がかかります。この資格を持っている方をやっと集めることができました。今は5人体制でしています。廣嵜さんをはじめ、皆さんの協力のおかげでできています」と、支えてくれた人たちへの感謝を示した。
朝6時からオープン
施設は療育だけの場所ではない。朝と夜は地域に開放し、商店街や近隣住民も利用できるジムとして運営している。
「朝の6時から空けています。6時半からラジオ体操をしています。ジムは現役プロボクサーがトレーナーをしています」と、地域との接点づくりにも力を入れている。
次の目標は全国へ
競技人生を終えても、川口氏の挑戦は続いている。次に見据えるのは施設の拡大だ。
「この施設を増やしていきたいです。私は九州の生まれなので、九州にも出したいです」と展望を語った。
リングで積み重ねた経験を、今度は子どもたちの成長に生かす。川口氏が九条で始めた新たな取り組みは、地域に根差しながら次の広がりへ向けて歩みを進めている。
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