激戦を制したのは…

　13日、後楽園ホールで開催された今年最初の「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントには、日本スーパーバンタム級王者"トリックスター"芹江匡晋(伴流)6度目の防衛戦として、日本同級1位"最強後楽園覇者"石本康隆(帝拳)を迎え撃った!!
　果たして王者・芹江は世界をアピールする戦いができたのか。それとも挑戦者・石本が王座奪取を果たしたのか…。

　序盤、王者・芹江が"伴流スタイル"と呼ばれる独特のリズムとステップから右ストレート・左フックを浴びせ、挑戦者・石本を仰け反らせる。しかし挑戦者も押し切られず、詰める王者に右ストレート・右アッパーでアゴを跳ね上げ、中盤にポイントを挽回。芹江が右ストレート・左ボディで序盤・終盤にポイントアウト、石本の追撃を振り切り、日本スーパーバンタム級王座6度目の防衛を成し遂げた。

　プロ25戦目の王座初挑戦も、判定で惜敗を喫した石本は控室で会見を開いた。「勝つことしか考えていなかった。残念です。気持ちで芹江選手を上回れなかったのが敗因。試合中の変化がもっと必要だった」と冷静に試合を振り返った。
　今後について石本は「応援して下さった人達には"スイマセン"の一言。これからは何も考えていません。勝つことが恩返しだったが、不甲斐ないです」と悔しさを滲ませた。

　ドクターチェック後、最強挑戦者を退けV6防衛に成功した芹江が試合を振り返った。「自分が100%勝ったと思っていたが、とにかくガードの上からでもパンチを打ち込もうと。2発目のパンチでは倒れないと思ったが、3発目は狙われていると思い手数が減ってしまった」と反省のコメント。
　挑戦者の印象を尋ねられ芹江は「気持ちの強い選手だった。本当に気持ちが強く、抜群の上手さだった。石本選手をクリアし防衛できた意味は大きい」と"最強後楽園覇者"を退け安堵の表情。

　右ストレートが多かったがと問われ芹江は「左フックは読まれていると思った(笑)。1、2ラウンドにワンツーが当たり、その後は色々と考えてしまったが、今日は戦っていて楽しかった!!」と笑顔を見せ、今後については「世界ランカーを相手に、外人選手に自分のリズムが通用するか確かめたい!!ここまで王座を防衛してきたが、僕自身はドラマッチックな戦いが続き、気持ちが切れることもなかった。そして石本選手に勝ったことで"世界"をアピールしても…。(日本フェザー級王者)天笠選手から僕の名前が出ているので、1階級上に挑戦するのも良いかな」と世界挑戦・日本2階級制覇と意欲をうかがわせた。
　最後にボクシングモバイルの意気込みで"進化した戦いを見せたい"とコメントしたが、今日はできたかと尋ねると"トリックスター"は「自分のやりたいボクシングはできた。でも半分くらいかな(笑)。まだまだ僕は上を目指します!!」と決意を新たにした。

　磐石なる試合運びで日本スーパーバンタム級の"絶対王者"へと進化しつつある芹江だが、遂に世界という言葉も飛び出した。
　最強挑戦者を撃破、リングで日本無敵を証明した芹江匡晋は、これから世界への階段を登ることがてきるのか…。