[引退]2026.3.18
「鹿児島で次のラウンドへ」元日本フェザー級1位・大久祐哉が引退、地元でジム設立へ

元日本フェザー級1位の大久祐哉(29=金子)が5日、自身のSNSで現役引退を発表した。強烈なパンチ力を武器にリングを沸かせてきた男が、12戦のキャリアに幕を下ろす。
アマチュアでは40戦24勝(6RSC)16敗。プロでは2021年7月にデビューすると、その爆発力あるパンチと真っすぐなファイトスタイルで頭角を現し、金子ジム主催興行ではメインイベンターとして会場を盛り上げてきた。
ラストファイトとなったのは、昨年11月に北九州市で行われた日本フェザー級挑戦者決定戦。敗戦を喫した試合が、結果的に現役最後のリングとなった。
「周りからは引き留められたが、自分としては次に進まないとなと思っていた。阿部選手との試合で負けてから、次の試合で負けたら辞めることも考えていた。今年で30歳。年齢的なこともあるし、鹿児島でジムを開きたいという思いもあった。ここで辞めるのがタイミング的にもいいと思った」。
静かな口調でそう語る姿には、決断を下した選手の迷いのなさがあった。
3月9日(月)に行われた日本フェザー級王座決定戦、岡本恭佑(23=KHスポーツ)対嶋田淳也(28=志成)戦をリングサイドで観戦。かつて拳を交えた岡本が王座を手にする瞬間を見届けた。
「気になっていたので、会場で見たかった。悔しい思いや歯がゆい思いで見ていた」。その言葉には、タイトルに届かなかったボクサーとしての率直な感情がにじんだ。
大久が次に見据える舞台は、故郷・鹿児島だ。幼い頃からボクシングに憧れていたが、当時は身近に環境がなかったという。「小さい頃からボクシングをやりたかったが、やる環境がなかった。だからこそ、自分が鹿児島を盛り上げたい」。
すでに物件を探しており、4月には鹿児島に戻りアマチュアジム設立に向けて動き出す。
「子どもたちにボクシングを教えて、プロになりたい子がいたら、東京に送り込むのも楽しいだろうなって」。穏やかな笑顔で語る姿からは、次の夢を見つけた人間の前向きさが伝わってきた。
12戦のキャリアの中で最も思い出深い試合に挙げたのは、昨年6月の阿部麗也(32=KG大和)との日本フェザー級王座決定戦だ。
「あの試合で人生が変わったかもしれない。たらればはあるが、大きな会場でできて楽しかった」。チャンピオンには届かなかった。それでも大久は言い切った。「好きで始めたボクシング。チャンピオンになれなかったので、思い通りにはならなかったが、そこも含めてもやって良かった」。
そして最後に、所属ジムへの思いを口にした。「金子ジムでベルトを獲るのは自分だと思いながらやってきた。獲れなくて申し訳ない気持ち。しかし、ここまで力を注いでくれて感謝しかない。タイトルは、ほかの選手に託したい」。
筆者が大久と初めて会ったのは2021年5月、金子ジムで行われたプロテストだった。それまで大久のことは知らなかったが、誠実でボクシングに対する姿勢が印象的な選手だった。「アマチュアで一番になれなかったから、プロで一番になりたい」。阿部戦の前に、真っすぐな目で、そう語っていた言葉を覚えている。
日本一には届かなかった。それでも、ボクシングに真っすぐ向き合い続けた大久祐哉の姿は、多くの人の記憶に残るだろう。
リングを降りても、彼の挑戦は続く。次は故郷・鹿児島で、未来のボクサーたちの夢を育てていく。
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