[引退]2025.9.29
元日本2階級制覇王者の坂晃典が現役引退を発表

元日本フェザー級・スーパーフェザー級王者で、前OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の坂晃典(33=仲里)が9月17日、自身のSNSで現役引退を表明した。
坂はアマチュアで42戦31勝(17RSC)11敗の成績を残し、2012年3月にプロデビュー。2017年4月に日本フェザー級王座を獲得し、2019年12月には日本スーパーフェザー級王座、昨年2月にはOPBF東洋太平洋同級王座を戴冠した。昨年6月の波田大和(28=帝拳)戦での敗戦で、その後、1年3ヶ月の熟考を経てグローブを置く決断に至った。
「まだ動けるし迷ったが、今の自分に覚悟を持って戦えるのか…。こんな気持ちではボクシングはできないと思った。辞めたくはなかったが“やりたい”とも思えなかった。ボクシングは熱意があってこそできるスポーツだから」と、葛藤の末に下した決断の背景を語った。
また、心境については「清々しい気持ちではない。ボクシングは心の支えであり、なんとかまともな生き方ができたのも、ボクシングがあったから。しかし、引退は必ず来るもの。時間が解決してくれると思う」と率直に明かした。
坂は自身のスタイルでファンを魅了し続けた。日本タイトルとOPBF王座を獲得し、関西ボクシングを盛り上げてきた存在だ。「僕は運だけでここまで来た選手。負けてベルトを失っても何度もチャンスをもらえた。『運も実力のうち』というが、本当にその通りだと思う。でも、いろんな意味で強かったとも思う」と振り返った。
坂のキャリアは常にKOと隣り合わせだった。10年間、勝っても負けてもKO決着が続き、その豪快さはファンの記憶に残る。「勝っても負けてもKOを狙っていた。ポイントアウトは全く考えていなかった。行くか行かないかだった」と語るように、最後まで芯のブレないファイターだった。
「常にKOを狙っていた」
印象深い試合には、奈良井翼(25=RK蒲田)との日本スーパーフェザー級王座防衛戦を挙げた。2度のダウンを喫し、KO寸前から逆転KOで生き残った激闘で、「自分のハートと実力、運をすべて出せた試合だった」と誇らしげに回想した。
2021年6月、大阪岸和田市に「焼肉 牛王 岸和田店」をオープンし、現在もオーナーとして経営を続けている。「おかげさまで生活はできている。ただ『第2の人生も頑張ります』とよく聞きますが、正直まだそんな気持ちになれない。ここからの人生は大変だと思うし、今はただ時間が欲しい」と本音を吐露した。
最後に「仲里会長と津島トレーナーのおかげで、ここまで来られた」と感謝を述べ、13年余のプロキャリアに幕を下ろした。
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