後楽園ホールに衝撃! ジロリアン陸の再起戦

　元日本ランカーのジロリアン陸(36=フラッシュ赤羽)が11日、後楽園ホールで開催された「OVER HEAT BOXERS NIGHT.111」のメインイベントに出場。68.0kg契約8回戦で元OPBF東洋太平洋ウェルター級王者の長濱陸(33=石田)と対戦した。

　日本王座戦以来、約3階級上げて再起戦に臨んだジロリアンのパフォーマンスに注目が集まった。

　中間距離で様子を伺う中、ジロリアンがワンツーで後退させると、連打で攻勢。2回、右オーバーハンドで効かせると、左フックで痛烈なダウンを演出! ダメージが深い長濱を見て、レフェリーはノーカウントで試合をストップした。

　持ち前の強打を爆発させたジロリアンは、「相手は、元チャンピオンで実力差があるかもしれないと不安だったが、パンチが当たり出してからは、怯むことなく攻めることができた。自分はテクニックはないが、対峙してどのパンチが当たるかが感覚的にわかる。今日は右オーバーハンドが当たると思った」と冷静に試合を振り返った。

19kgの減量

　2022年11月に当時の日本ライト級王者の宇津木秀(ワタナベ)に挑戦したが、3回TKO負け。その後、しばらくボクシングから離れたが、再びリングに戻ってきた。4月の時点では87kgあった体重を徐々に落として、この日を迎えた。

　日本ランカーの長濱を撃破し、ウェルター級でのランキング復帰を確実とした。

　ジロリアンは、「自分は、スーパーウェルター級(リミット69.8kg)の体ではないのはわかっている。ただ、ウェルター級(リミット66.6kg)も減量がきつい。自分は試合前、恐怖心がすごくて、これから気軽に『ボクシングを続けます』とは言えない。しかし、今は仕事もしていないので、仕事としてやっていこうかなとも思うし…」と複雑な心境を素直に明かしたが、「明日から毎日ラーメンばっかり食べます」と、最後は報道陣の笑いを誘った。

　今回の興行は、ジロリアン陸公式YouTubeチャンネルでライブ配信され、6000人弱が同時視聴したという。ジロリアンは、「今回はアナウンサーや解説も用意したので、たくさんの人に見てもらえてうれしい。今後も、うちの興行でやっていきたい」と語った。

　一方、KO負けを喫した長濱は、「プエルトリコ人(ファン・カルロス・トーレス)との試合くらいから、相手のパンチに不安を感じてしまい、体が勝手に反応してしまう。ジロリアン選手よりパンチが強い選手はいたが、ガード越しにもらってから、頭が真っ白になってしまった」と肩を落とした。