[試合後談話]2024.11.10
全試合公開採点を実施

11月10日(日)、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催されたKWORLD3ジム主催の「弁慶ファイト vol.3」では、第1試合からメインイベントまで、すべての試合で公開採点が実施された。
それまでの採点を読み上げる公開採点は、通常、世界タイトルマッチでは、WBC(世界ボクシング評議会)が採用していて、4ラウンドと8ラウンド終了後に採点をアナウンスしている。日本タイトルマッチ(10回戦)でも5ラウンド終了時に採点を公表している。OPBF東洋太平洋タイトルマッチ(12回戦)では、4ラウンドと8ラウンドに採点が公開されるが、同じアジア地域タイトルのWBOアジアパシフィック王座戦は実施していない。オープン戦では公開採点はない。
今回の興行で試験的に実施
KWORLD3ジムの亀田大毅会長の要望で、実験的に今回の興行だけ公開採点が行われた。亀田会長の発案の下、西日本ボクシング協会の山下正人協会長に案を出して、日本ボクシングコミッション(JBC)と出場ジムに了承を得て実施された。
全試合終了後に取材に応じた亀田会長は、「公開採点があった方が、負けている方は(ポイントを挽回しようと)攻めに行く。選手が悔いが残らない展開にするため。そして、公開採点があると、逆転する展開も生まれてくるので、お客さんの離席率も少なくなる。以前からやりたかった」と、今回の意図を説明し、「山下会長や多くの会長が見に来ていただき好評を得た。今後、関西から広めていけたら」と語った。
第3試合、60.0kg契約6回戦では、日本スーパーフェザー級15位の伊集院嵐(26=KWORLD3)と山名生竜(23=HKスポーツ)が対戦。前半3ラウンド終了時の公開採点は29-28×2(山名)、29-28×1(伊集院)と割れたが、最終的には三者三様の引き分け(58-56山名、58-56伊集院、57-57)となった。
ランキングを死守した伊集院は、「山名選手は、前回戦った時よりやりにくかった。前半、ポイントでリードされていたので、攻めに行かないといけないと思った。自分としては公開採点があって良かった。お客さん的にも楽しめたと思う」と感想を語ると、「次戦は勝てるように頑張ります」と飛躍を誓った。
一方、追いつかれる形となった山名は、「初回は取られて、2回は微妙。3回は自分が取ったと思った。前半、勝っているのを確認できたので、このままのペースで良いのかなと。公開採点はあった方がいいと思った」と話したが、「4〜5回は取って、6回は取られたので、最終的には自分が勝ったと思った。悔しいですね。もし、公開採点がなかったら違うボクシングをしていたかもしれない」とも語った。
セミファイナル、フライ級8回戦では、日本スーパーフライ級11位の岩ア圭祐(29=オール)と森本竜馬(22=KWORLD3)が激突。初回からダウンを奪い合う激戦となるが、2回に岩アが右ストレートで立て続けに倒した。4ラウンド終了時の公開採点は、37-37×1、38-36×2で岩アがリード。5回以降はお互いの意地がぶつかり合ったが、森本がポイントを連取し、76-74×3で逆転勝ちした。
後半にポイントを挽回して逆転勝ち
ランカーを撃破した森本は、「採点は厳しいと思ったので、びっくりした。最初にダウンを奪って余裕を持ちすぎた。(ランキング入り濃厚で)ここからがスタートライン」と気を緩めることはなかった。
「リードされると焦ってしまう」
公開採点については、「ポイントでリードされていると、焦ってしまうので、ない方がいい」と考えを示した。
「前半、思っていたよりポイントを取れていなかった」岩ア圭祐
一方、岩アは「自分の方がダウンを2つ多く取っていたが、(公開採点を聞いて)思ったより取れていないなと。気にせずに自分のボクシングをしようと思ったが、狙い過ぎてしまった。勝っていたと思ったので悔しい。まだまだ頑張ります」と声を絞り出すと、「日本タイトルマッチでは公開採点があるので、見据える上ではあった方がいいと思う」と述べた。
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