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[試合後会見]2024.10.18

世界からの再出発の阿部麗也が21歳の曲者と激突!

 WBC(世界ボクシング評議会)フェザー級8位の阿部麗也(31=KG大和)が18日、後楽園ホールで開催された「第26回 WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」のメインイベントに出場。58.0kg契約10回戦で、川本響生(21=吉祥寺鉄拳8)と対戦した。

 今年3月に世界挑戦して以来の、再起戦のリングに上がった阿部の動きに視線が注がれた。
阿部麗也(KG大和)が判定勝ち
 初回、川本がシャープなジャブで先制攻撃。しかし、サウスポー阿部は2回からノーモーションの左で顔を弾くと、上下に打ち分けポイントを連取。中盤、ボディにパンチに集めて左ストレートで、川本から鼻血を流させた。要所要所で攻勢をアピールするパンチを当てた阿部だが、川本は気持ちを切らさず、食い下がった。最終10回、川本は右オーバーハンドで効かせると、連打で攻勢。阿部は、クリンチで後続打を避けた。試合運びの上手さを見せた阿部が勝利した。
「知名度以上に厄介だった」
 再起に成功した阿部は、「6〜7ラウンドまではイメージ通りで、終盤、動きが落ちてくるだろうと思ったが、(スタミナが)落ちてこなかった。(川本選手に)この試合にかける思いの強さを感じた。最終ラウンドは、バランスを崩しただけだったが、調子づかせてしまった。知名度以上に曲者でジャブが上手くて、厄介だった」と、10歳年下の新鋭を称えた。

これからが阿部さん劇場の最終章

 今年3月、米国で当時のIBF世界フェザー級ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に挑戦。ロペスの攻撃力に涙を飲んだ。阿部は「本物と戦って、スキルだけではない、生物としての強さを感じた」と、世界のトップの強さを肌で感じたという。「今日はやりたいことが少しは出せたので、これからさらにブラッシュアップしていく。自信満々にやれるスタイルを確立していく。阿部さん劇場の最終章は、これから」と、世界再挑戦に向けて気持ちを高めた。
「ここから這い上がる」
 一方、世界挑戦経験者の阿部と最後まで渡り合った川本は、控え室に戻ると涙を堪えながら一言、「すごく悔しい」と口にした。「初めての10ラウンドの試合で(これまで6ラウンドが最長)、長いラウンドのスパーリングもこなしてきたが、試合とのスタミナの違いを感じた。序盤にポイントを取り、流れを作りたかったが、相手の上手さ、見せ方が上だった」と、拳を交えた阿部の強さを認めた。

 最終ラウンドに猛攻を仕掛けたが、「ここでやらなきゃ勝てないと思って前に出たが、届かなかった」と悔しさを滲ませた。「また一からやり直し。スタミナと技術面をまたやり直す」と、レベルアップを口にして取材を終えた。
吉祥寺鉄拳8ジム権撫r会長
 吉祥寺鉄拳8ジムの権撫r会長は、「仕掛けさせるのが遅かった。阿部選手はさすが世界ランカーだけあって、ポイントを取るのが上手かった。キャリアの差が出た。自信があっただけに悔しい」と唇を噛み締めた。それでも、「7〜8ラウンドにボディを効かされたが、そこからよく盛り返した。これまで以上によく練習したし、精神力がすごかった。これからまだまだ伸びますよ」と、愛弟子のさらなる成長に期待した。
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