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元プロボクサー、袴田巌さん(88)の再審公判で、静岡地裁は26日、無罪判決を言い渡した。袴田さんは1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で逮捕、起訴されて死刑判決が確定。無罪を訴え続けて58年戦い続け、ようやく無罪判決を勝ち取った。
長く袴田さんを支援してきたボクシング関係者は同日、判決を見届けるために朝から静岡に集結。日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会のメンバーをはじめ、元世界王者の飯田覚士さん、リングアナウンサーの須藤尚紀さんらも駆けつけ、街頭で袴田さんの無罪を訴えた。
午後、裁判所前で袴田さんの姉ひで子さんと弁護団が入廷するのを送り出すと、14時に始まった裁判で無罪判決が言い渡された。メンバーは他の支援者らとともに検察庁に出向き、控訴しないように訴えた。
判決は犯行着衣とされた5点の衣類、衣類の一部の切れ端、自白調書の3つを「捜査機関のねつ造」と認定。国井恒志裁判長は「ものすごく時間がかかりました。裁判所としては申し訳ないと思っております」と、ひで子さんに謝罪した。
支援委員会の新田渉世会長は「まずは大きな勝利」と無罪判決を喜ぶ一方で、「これから検察の控訴断念を勝ち取らなければならない」と言葉に力を込めた。
検察はこの判決に対して控訴する権利を持ち、その期限は10月11日まで。控訴すれば裁判はさらに続くことになる。袴田さんは釈放されて10年がたつが、長期収容の影響で拘禁症状が癒えず、精神的に不安定な状態が続く。最近は足腰も弱ってきた。検察の控訴は絶対に許されない。