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WBOアジアパシフィック(WBO-AP)女子バンタム級タイトルマッチが9日、アリーナ立川立飛で開催された「TACHIHI Presents GENKOTSU vol.9 立川立飛大会」のメインイベントで行われ、チャンピオン・ぬき てるみ(35=真正)に菊池真琴(37=石川)が挑んだ。
試合が始まると、ぬきはテンポを変えずに前に出て左フックを軸にパワーボクシングを展開した。一方、スーパーバンタム級から一つ階級を下げて試合に臨んだ菊池は、足を使って左ストレートと右フックで応戦。インファイトに引き込みたいチャンピオンと、アウトボクシングに徹する長身サウスポーの攻防戦が続いた。最終の8ラウンドを終えても決定打はなく、判定でぬきが王座防衛に成功した。
足で巻いてポイントをピックアップする作戦を遂行した挑戦者だったが、誤算だったのは、ぬきのパンチ力。スーパーバンタム級から一つ階級を下げて挑んだ試合だったが、試合後の控え室で菊池は、「パンチ力は、過去(に対戦した選手の中で)最高だった」と舌を巻いた。その上で、「リズムが単調じゃなくて、そもそも(ぬきは)リズムを取ってないので、タイミングが取りづらかった」と、独特なテンポでプレスをかけてくる相手の動きに戸惑った。
勝負を左右していたのは、2ラウンドの攻防。菊池の左ストレートに大きくバランスを崩したチャンピオンだったが、菊池は「タイミングだったので、ダメージはないと思った」と冷静にチャンピオンの動きを見ていた。試合後も顔に傷や腫れはなかったが、2回に右目を被弾して、視野がなくなっていたことを明かした。
採点に関しては、インファイトとアウトボクシングの見栄えに言及し、「ジャッジがどう評価するか」と言葉を濁したが、ぬきとの対戦は「(今後の計画を)狂わされたが、楽しかった」と振り返り、「わかりやすく、倒したかった」と悔やんだ。
試合後の勝利者インタビューでも、「サウスポーは苦手」と安堵の表情を浮かべたチャンピオンは、「横の動きを感覚を練ってやった」と、菊池がアウトボクシングを仕掛けてくることを想定して、対策を取ってきたことを明かした。被弾する場面もあったが、「サウスポーは苦手なので、左ストレートはもらってしまいました。でも、女子のパンチで効いたことはないです」と笑顔で答えた。
真正ジムの山下正人会長も「今までにも世界戦の話もあったが、タイミングが合わなかっただけ」と、ぬきの世界挑戦の交渉を続けるとし、世界王座奪取にも太鼓判を押した。