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[引退式]2024.4.7

元日本王者の西谷和宏が最後のリング

 第61代日本ライト級チャンピオンの西谷和宏(37)が7日、神戸芸術センターで開催された「SENRIMA SUPER FIGHT.69」のセミファイナル前に引退式に臨んだ。

 西谷は、元OPBF東洋太平洋ライト級王者の中谷正義氏(35)との2ラウンドのスパーリングで会場を盛り上げた。
中谷正義氏とのスパーリング
 西谷がジャブからワンツーにつなげてグイグイと仕掛けると、中谷もジャブから右アッパーを返して応戦。お互いに遠慮なくパンチを交換した。2回、西谷はスイッチしながら打ち込むと、中谷は気持ちを受け止めて激しく打ち返した。

 最後の相手を務めた中谷氏は、「現役時代は、よくスパーリングをしていたが、同じ階級だったこともあり、親しくしなかった。しかし、西谷さんの熱いファイトを密かに見ながら励みにしていた。スパーリングの相手に選んでくれて光栄です。長い現役生活お疲れさまでした」と、長きにわたり切磋琢磨してきた西谷に労いの言葉をかけた。
篠原信一さんが駆け付けた
 引退式には、柔道シドニー五輪銀メダリストの篠原信一さんが駆け付けた。西谷が勤務する株式会社松本興行社の社長が篠原さんの先輩で、以前から西谷と交流があるという。

 篠原さんは「西谷君を越える選手を育ててほしい」と、VADYジムでトレーナーとして、後輩の育成に力を入れる西谷の活躍を願った。
松岡剛志会長と歩んできた
 続けてジムに入門してから、二人三脚で歩んできたVADYジム松岡剛志会長が手紙で思いを伝えた。松岡会長は会場に来ていたが、「この後、セミファイナルで選手(松本海聖)が出るので」と、試合に集中するためリングアナウンサーが代読した。

 「ともに歩んだボクサー人生では、いろいろなことが思い出されます。僕の力不足で、たくさん悔しい思いをさせてしまったこともありました。ただ、文句一つ言わずにボクシングに取り組み、その挫折を忘れるくらい最高の出来事をともに経験できたことを誇りに思っている。たくさんの興奮と感動をありがとう」。松岡会長の思いを聞いた西谷の目から熱いものがこみ上げた。
戦績:28戦21勝(12KO)6敗1分
 マイクを握った西谷は、松岡会長やアマチュア時代に指導を受けた山口彰彦氏、天国で見守っている両親。2人の兄、そして西谷を支え続けた家族に感謝の気持ちを言葉にした。

 「ボクシングでつながったすべての人に感謝します。本日、すべての任務を完了します。本当にありがとうございました」と挨拶すると、会場から大きな拍手が送られた。最後に10カウントゴングが打ち鳴らされた。
おつかれさまでした

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