那須川天心「やっぱり倒し切りたい」

　プロボクシング2戦目を勝利した那須川天心(25=帝拳)が19日、都内のホテルで開かれた一夜明け会見に出席し、試合を振り返った。

　那須川は、(昨日)18日に有明アリーナで開催された「Prime Video Presents Live Boxing 第5弾」で、メキシコ・バンタム級王者のルイス・グスマン(27=メキシコ)と対戦。2度のダウンを奪い、判定勝ちした。

　「初回で倒してびっくりした。自分を信じ切れていなかったので、(倒すことに関して)信じることができる」と自信を深めたようで、「やはりKOで仕留めたい。その方(決定力がある)が相手に恐怖心を植えつけることができるし、お客さんも喜ぶ」と、KO勝ちへのこだわりも見せた。

　「良くなった部分があり、やってきたことは間違っていなかった。ただ、新たな課題が出てきた。まだまだ道のりは長い」と試合を振り返った。

　4ラウンドに左拳を痛めたが、骨折の可能性は低いとのこと。明日、検査して様子を見ながら練習を再開する。

　メインイベントで圧巻の内容を見せたWBA(世界ボクシング協会)・WBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級統一王者の寺地拳四朗(31=BMB)のスタイルは参考になるようだ。「自分に足りないところを持っているチャンピオン。これまで、あまり他の選手の試合は見たことがなかったので、(これからは)真剣に見てみたい」。

　試合後、帝拳プロモーションの本田明彦会長は「絶対に世界チャンピオンにするが、10戦目まではやらせない」と明言した。それに関して、「最初から話しているが、急いでいない。会長を信頼しているので、じっくりとやっていきたい」と数年かけて実力をつけていく。

　今後の目標を聞かれた那須川は「期待されているのはわかっているので、その期待に応えたい。強くなるだけ」と話すと、「最後は格闘技になりたい」と独特の言い回しで締めた。

　昨日の試合、リングコールされた那須川は、目を抑えながら笑うポーズを取った。これは、人気漫画「ONE PIECE」の主人公・ルフィの最終形態"ニカ"のポーズだったようだ。デビュー戦と同じく、この日も会場に多くの子どもが駆け付け、試合中も「天心がんばれ!」と応援していた。

　那須川は「アニメが好きなので、毎回なにかしらポーズをしている」と言うと、「アニメは現実ではないと言われるが、現実に通じるところはたくさんあると思う。観に来たお客さんを大事にしたい」と熱く語った。これからも子どもたちのヒーローであり続ける。

　会見終了後に囲み取材に応じた本田会長は「まだ、体力面に不安がある。昨日は8ラウンド持っただけ。今回は、スパーリングの相手が強くて、パンチを避けて満足していた部分があるので、今後はスパーリング相手のレベルも考えていかないといけない」と、まだ進化の途中だと言うと、「スパーリングは面白い内容を見せているが、まだ試合で出せていない。これまでの選手とは違うボクシングができるはず」と期待を寄せた。

　次戦は、来年1月に国内で予定していて、その後は海外での試合も視野に入れていることを明かした。