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注目を集めた赤穂亮(36=横浜光)とジョンリエル・カシメロ(32=比)の対決は、韓国KBMのローカルルールに従って、ノーコンテストとなった。韓国・仁川のパラダイスシティで3日、スーパーバンタム級10回戦が行われ、初回から激しい打ち合いを繰り広げた。
初回に左フックと右ストレートで、リズムを作り始めたのは赤穂亮。カシメロも前に出て、左右を振り回した。
試合が動いたのは2回。赤穂の左フックでカシメロがダウン。ノーダメージをアピールしたが、レフェリーはカウントを続けた。試合再開後、一気に左右を振って前に出たカシメロ。右が赤穂の顔面を捉えると、赤穂はロープを背にして、ガードの上を叩くカシメロに対してカウンターを狙うが、パンチをまとめるカシメロが、赤穂の後頭部を打ったところで、レフェリーが赤穂に5分のリカバリータイムを与えた。
ニュートラルコーナーで椅子に座って回復を目指した赤穂だが、「足に力が入らなくなった。立ってるのか座ってるのかわからなかった」。回復は見込めず、韓国KBMのルールによって、勝敗はつかずノーコンテストとなった。
元3階級制覇王者のカシメロと拳を交えた赤穂は「1ラウンドは想定内。踏み込みのスピードもパンチ力も想定内でした。当てにくさや遠いと感じることも全くなかった。ボディに手応えあった。カシメロは打ちにきてたんで、左フックが上手く入った。パンチがある感じではなかったけど、パンチもあったんだと思います」と2ラウンドの攻防を振り返った。ラビットパンチを受けたため、2ラウンドの記憶は、定かではないとしながらも「アピールしてたら、打ってきそうだったんで」と、カシメロのラフファイトにも冷静さを保つことはできた。
「なりふり構わず打ってくるのが、プロフェッショナルなんでしょうね。仕上げてきてましたね」と、世界各国を渡り歩いて戦ってきたカシメロに対してのリスペクトを忘れなかった。
控室を後にする際、カシメロが赤穂のもとに駆け寄り、「日本に来たら、ジムに遊びにきてくれ」と誘った赤穂に対して、「ドネアからも、赤穂がいい人だと聞いている。ぜひまた会おう」と握手して別れた。
今後に関して赤穂は、「俺のボクシング人生、こんな感じ。タイの時と同じだ」と、消化不良となったビッグマッチを悔やんだ。「ダウンを取って安心してしまったのかもしれない。悔しいですね」と言葉を絞り出し、進退に関しては明言を避けた。
■石井一太郎会長
―試合結果について
「試合がノーコンテストになったのは、非常に残念。2ラウンド目でカシメロ選手の後頭部へのパンチがあったにせよ、赤穂が招いた部分もあったので。正直、ノーコンテストというのは…」
―ローカルルールが適用されたとのこと
「KBMルールによってのノーコンテストですね。今回の興行はJBCも入っていただいて、KBMとJBCの両方で統括してもらいました。どちらも1番最後の(後頭部パンチ)シーンではなく、試合をさかのぼって見返し、何回も後頭部へのパンチが入っていた、との判断だそうです。ただ観ている人には分からない部分もあると思う。赤穂は立ち上がれなかったわけで。ノーコンテストというのはスポーツとしては、そうなのだろうとは思うけれど…という気持ちです」
★伊藤雅雪氏
―メインの試合結果について
「ショックで、残念です。自分にとって初めての興行で、無事に計量もクリアし、契約としてのもろもろもクリアし、あとは試合が終わればと思っていたが、まさかの展開になりました」
―ローカルルールが適用されたことについて
「こういう展開は、予想できていなかったですが、たとえ先に議論していても、防げないことだと思います。赤穂さん寄りの判断という意見は心外です。想定外すぎたと思います。誰が見てもカシメロ選手が優位の展開だったので、ノーコンテストというのは、本当に残念に思います」
―興行としては
「ほぼ観客席も満員で、立ち見も出てくれました。カジノから求められているところは評価されて、次につながる興行となりました。試合運営については、今後、いろいろとケアできることを考えていきたい」