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井上尚弥とドネアの再戦が、日本で開催されたことに感謝したい。さいたまスーパーアリーナで7日、バンタム級3団体統一戦が行われた。赤コーナーからリングに上がったのは、WBAスーパー王座とIBF世界王座の2団体統一チャンピオン"モンスター"井上尚弥(29=大橋)。青コーナーに陣取ったのは、WBCの緑のベルトを掲げてリングインした”フィリピーノフラッシュ”ことノニト・ドネア(39=比/米)。緊張と興奮が会場の空気をピーンと張りつめたものにした。
選手の呼び出しは、ジミー・レノンJr.。「It's prime time」の一声で、さいたまスーパーアリーナが大声援に包まれた。
ダメージの影響で、ドネアは試合後の会見を、キャンセルした。
この試合のオープニングパンチとなったドネアの左フックを受けた尚弥は「1ラウンドは絶対に取らなきゃいけないと思っていたので、(左フックを右目にもらって)それ以上のインパクトを残さないとダメだなと、残り10秒で少しだけエンジンをかけた」と、初回にダウンを奪ったシーンを振り返った。それでも、1ラウンド終了後のインターバル中は「行かないよ、と伝えた。2ラウンドは様子を見るよと言ったけど、ドネアの足がふらついてたので、行きました」と振り返ると、「2年7ヶ月前にイメージしていた展開」と付け加えた。
ドネアの試合の入り方に関して、「想像してた中の一つ。プレスをかけて、自分に手を出させてカウンターを狙う展開」と冷静に分析した。リングで対峙した時には、体重の戻し方が気になったという。「戻りきっていないと思った。スピード重視で来ると思った」。試合直前も試合中も落ち着いていたモンスターだが、ドネアの左フックを受けた時の感想を問われると「左フックをもらったので、当て返してやろうとは思いました」と、茶目っ気たっぷりに答えた。「ダウンの瞬間、夢じゃないかと思うほど上手くいった。ドネアだったからこそ、感動を生んだ。誇りに思って、この先に行きたい」。その言葉には、学生時代に憧れたドネアへのリスペクトが滲み出ていた。