試合日程 | 試合結果 | 動画ニュース | ランキング | 選手検索 |
12階級中9階級がKO決着と大いに盛り上がった14日の後楽園ホール。2021年度東日本新人王決勝戦は、1378人の観衆が大きな拍手で24人の出場選手に熱いエールを送った。
試合の模様は日テレG+で12月25日(土)13:30から放送。
最優秀選手(MVP)賞は、衝撃の1ラウンド10秒TKO勝利を挙げたフェザー級の渡邊海(19=ライオンズ)。200人以上が応援に駆けつけていた。勝利者インタビューでは「嬉しいです。全日本ももうちょい速く倒しにいきたいです」と喜びのコメント残した。表彰式の後の囲み取材では、「試合が始まって左を合わせた時に飛んでくると思って、練習していた通りに右を合わせたら、当たって、ビックリした。でも手応えはなかったです。相手は強いんで、立たないでくれって思った」と勝利の瞬間を振り返った。試合開始10秒で試合が決まったが、「KOは頭にあった」という渡邊は「いつもより練習をしてきた。今日は調子も良かったので、自信もあった。倒せるんじゃないかと思っていた」と試合前の心境を語った。
会見に同席した父・利矢トレーナーは「左と足を使って、しっかりボクシングをして、タイミングで倒すのが理想」とし、この日は「アップの時から試合までの気持ちの持って行き方と集中出来ていたことに成長を感じた」と労った。
技能賞はライトフライ級の坂間叶夢(18=ワールドスポーツ)。今大会、大きなインパクトを残した現役高校3年生。淵江高校に通う18歳は「嬉しいけど、全日本ではMVPを狙います。(今後は)全日本新人王、日本(タイトル)を取って、世界に行きたい」と抱負を語った。
来年3月に高校を卒業し、プロ一本で世界を目指すボクシング界のホープは「全日本新人王、日本ユース、日本かアジアのタイトル、そして世界」と青写真を描いている。「23歳までに世界は取れますかね?」と記者団に逆取材する場面もあった。
目標とするボクサーはいないとしながらも「ジャブ一発で倒す」と、理想のボクシングを目指していく。
敢闘賞はスーパーライト級の関根幸太郎(24=ワタナベ)。「MVPが良かったです。(全日本新人王は)余裕で勝って、早くチャンピオンになりたいです」と意気込みを語った。囲み取材では、MVPを狙って、ゴングが鳴ると飛び出して行って左を振ったと明かしたが、「実力では自分が1番だと思っている」と負けん気の強さも垣間見えた。
花咲徳栄高等学校から拓殖大学へと進学し、ワタナベジムへは自宅から1時間かけて通っている関根。ボクシングファンならピンときた人も多いはず。同ジムの先輩で元WBAスーパーフェザー級スーパーチャンピオンの内山高志氏の高校、大学、そして、ジムの後輩だ。試合後の会見には渡辺均会長も同席し、「礼儀正しい選手」と記者に紹介すると、「将来は内山の後継者になって欲しい」と期待を寄せた。
プロになってから一番成長した部分を問われると「ワンツーが打てるようになった」と伯耆淳トレーナーと取り組んできたことを挙げた。会見に同席した伯耆トレーナーは、普段のミット打ちでも「芯に当てる。正確に打てる」と愛弟子を評価した。
来春からは就職して、自動車整備と民間車検関連の家業を継ぐために下積みをしながら、ボクシングでは世界を目指す。