ベルトを掛けて女の意地がぶつかり合う!

　WBO(世界ボクシング機構)女子スーパーフライ級王者の奥田朋子(38=ミツキ)と挑戦者で前王者の吉田実代(33=三迫)が28日、東京大田区の牧田総合病院で前日計量に臨んだ。試合は明日の29日(火)に後楽園ホールで開催される「MISAKO BOXING」のメインイベントで激突する。
　両者は昨年12月に大阪で対戦し、奥田が初回にダウンを奪い6回負傷判定勝ちで王座を獲得した。計量後にリモート取材に応じた両者は、静かに闘志を燃やした。

　「移動中にさらに体重が落ちた。今回も順調に仕上がった」と話した奥田は、200gアンダーの51.9kgでクリアした。ダイレクトリマッチでの初防衛戦にも「女子ボクシングでは同じ選手と対戦するのはよくあること。特別なことではない」と話すと、「後楽園ホールでの試合も3回目で行き慣れた場所。敵地だとは思っていない」と、意に介していないようだ。

　さらに「自分が持っている武器をいかに出せるか。新しい小技とか出していきたい。勝つために工夫してリングに上がる」と意気込んだ。具体的にはジャブのレパートリーやパンチの角度など技術アップを図ってきた。
　奥田は「リングは自分を表現させてもらえる舞台。やるかやられるかの戦場で生き様を見せる」と鬼門の初防衛戦で勝利を目指す。

　リベンジを誓う吉田は100gアンダーの52.0�sを測定した。吉田は「前戦はジムを移籍してすぐの試合で準備期間が少なかった。ジムの雰囲気にも慣れて良い練習ができた」と充実感を口にした。
　吉田は、今年2月から元OPBF東洋太平洋バンタム級王者の椎野大輝トレーナー(34)との新コンビを結成。「椎野さんや加藤さん(加藤健太トレーナー)に見てもらい強くなった」と進化した姿を約束した。さらにWBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級王者の寺地拳四朗から「もっとボクシングを楽しんで」とアドバイスを受けたことを明かした。

　1階級下のフライ級に落として再起する選択肢もあったが「同じ相手ともう一度戦えるチャンスが来て逃げるファイターはいない」とスーパーフライ級にとどまり奥田撃破を目指す。
　「気負いやプレッシャーはある」と胸の内を明かした吉田だが「自分のベストを尽くす。そうすれば結果はついてくる」と明日のリングに全力を注ぐ。
　愛娘の6歳の実衣菜ちゃんから「頑張って」と激励された吉田が王座奪還に燃える。