古橋岳也のV1戦が決定!

　川崎新田ボクシングジムは17日、日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也(33=川崎新田)の初防衛戦の日程と対戦相手を発表した。
　古橋は、8月2日(月)に後楽園ホールで開催される「ホープフルファイト.35」のメインイベントで同級5位の花森成吾(23=JB SPORTS)を迎え撃つ。
　リモート会見に臨んだ両者は試合に向けて闘志を燃やした。

　古橋は、今年1月に久我勇作(ワタナベ)との壮絶な打撃戦を制し、3度目の挑戦で戴冠した。回転力を活かした連打と無尽蔵のスタミナとタフネスが売りだ。
　古橋は「漫画『はじめの一歩』を読んでボクシングを始めたが、次戦は森川会長のジムの選手とタイトルマッチで戦うことができるのは光栄なこと」と話した。JB SPORTSの森川ジョージ会長は『はじめの一歩』の作者。「森川先生への恩を倍返しする時がきた」と先制攻撃を仕掛けた。
　それに対し、タイトル初挑戦の花森は「(古橋選手は)自分のことなんて知らないと思うが、森川会長が喧嘩を売られたので、自分が買うしかない。チャンピオンの中で勝てるとしたら古橋さんしかいないと思っている」とやり返した。

　古橋は、長年コンビを組んできた孫創基チーフトレーナーが、今年4月にキックボクシングジムを立ち上げジムを離れたため、今回から笠康次郎トレーナーとコンビを組む。
　笠氏は、K&Wジムで前日本ライトフライ級王者の高橋悠斗氏をチャンピオンに導いた実績を持つ。現在、左の使い方とディフェンス面の見直しをしているという古橋は「自分の持ち味である攻撃力を活かすことができる」と新たな発見があるようだ。

　毎回、激戦を繰り広げている古橋だが「面白い試合をすると言われているが、今回は相手に良いところを出させず、サックリと終わらせる。良い意味で周りの期待を裏切りたい」と圧勝宣言すると、「花森選手が田村選手(田村亮一=花森と同門の元日本スーパーバンタム級王者)を超えるのはまだ早い」と王者として力の差を見せるつもりだ。

　挑戦者の花森は、今年1月に水谷直人(KG大和)に4回TKO勝ちしランキング入りを果たした新鋭で、A級2戦目で日本王座に挑戦する。上下の打ち分けと左ボディを得意とする好戦的なタイプだ。水谷戦の前に「この試合に勝ってランキング入りしたらチャンピオンが指名してくれるのではないかと想像していた」と言うと、「自分は運を持っている」と、千載一遇のチャンスに闘志を燃やした。

　会見に同席した山田武士代表は「スーパーバンタム級のランキングを見渡しても、うちの花森が一番弱いと思う。噛ませ犬の役割で選ばれたと思うが、良い噛みつき方をしてやろうと思っている。森川先生からは『勇気を見せてほしい』と言われている」と下克上へ自信を示した。
　古橋がタイトルを獲った1月の試合を会場で見ていた花森は「(久我戦を見て)感動したが、古橋選手は長年のダメージがあるのではないか。勝機はある。最初から飛ばして一方的に攻めてベルトを獲る」と言葉に力を込めた。