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[試合後談話]2021.3.7

福岡でドラマチックな試合!

 FUKUOKAボクシングジム主催の「REAL SOUL BOXING.60」が7日、福岡・宗像ユリックスで開催された。メインイベント61.0kg契約6回戦で末吉史明(28=FUKUOKA)と橋本祐二(36=折尾)が拳を交えた。
 末吉が連敗を脱出したのか、それとも昨年8月に約13年9ヶ月ぶりに復帰した橋本が勝利したのかーー。コロナ禍以降、九州地区で初の有観客試合となった興行は、熱い打ち合いが繰り広げられた。
橋本祐二(折尾)が判定勝ち
 サウスポー橋本が思い切りの良い左ストレートで先制攻撃を仕掛けると2回に右フックからの左ストレートでダウンを先取した。守勢を強いられていた末吉は、3回以降ワンツー、左フックを決めてポイントを挽回。最終6回、橋本は歯を食いしばりながら左ボディストレートを打ち込み勝利を手繰り寄せた。
最高の気分
 約14年4ヶ月ぶりに勝利した橋本は「これまでの努力がすべて報われた。最高の気分です」と感無量の表情を見せた。
 「相手は若くてKO率が高いので一発のパンチに気をつけた。長いリーチを活かした攻めのアウトボクシングを心がけた」と話すと、「後半に追い上げられたが、最終ラウンドが始まる前にセコンドから『ダウンを奪ったアドバンテージは考えずに攻めていけ』とアドバイスをもらった。昔の自分だったら攻めずにポイントを取られていたと思う。会長のおかげで勝つことができた」と感謝の気持ちを言葉にした。
 西村浩明会長は「14年前の彼だったら今日の試合は負けていたかもしれない。人間的に成長したことが勝利につながった」と褒め称えた。
今年9月にボクサー定年を迎える
 2003年にデビューした橋本は、10戦した後、就職のため一度グローブを置いた。大分県の企業に勤めていたが、28歳で地元の福岡県に戻り警察官になった。その後「人生は一度きりなので後悔したくない」と家族を説得して34歳で再入門してカムバックした。現在は警察官との二足の草鞋を履いている。昨年8月の試合は判定負けを喫したが、復帰後2戦目で勝利した。

 小学3年生の9歳の長男と保育園に通う6歳の次男と3歳の長女と3人の子供を持つ橋本は「子供に勝つ姿を見せたかったので本当に嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。
橋本は、今年の9月でボクサー定年の37歳を迎える。現役続行のためにはランキング入りすることが条件とされている。「自分がどのくらい強いのか挑戦したい。日本ランカーの方、僕に最後のチャンスをください」と熱望した。
ダウンは効いていなかったが…
 一方、ダウンを挽回するも惜敗した末吉は「右ストレートがなかなか当たらなかった。相手は気持ちが強くて、攻め切ることができなかった」と唇を噛んだ。
越本隆志会長
 コロナ禍以降、九州地区で初の有観客興行を終えた越本隆志会長は「コロナ感染対策の準備や試合中も対応するなど初めてのことばかりで、とにかく大変だった。選手に感染させないことを徹底させたが、PCR検査の結果が出るまで気が抜けなかった。興行をしてみてわかったこともあるので、モデルケースとして伝えていきたい。西部日本ボクシング興行も徐々に復活できればと思う」と振り返った。

 この日は収容人数の半分となる600名が会場に入り、受付では検温と消毒、マスクの着用が義務付けられた。さらに、コロナ感染ガイドラインに沿って立ち見での観戦は禁止されているため、着席を促すなど感染対策を徹底していた。

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