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新型コロナの影響で3月から中断していたボクシング興行も、無観客という前代未聞の手法で7月12日から再開し、地域によっては人数制限はあるものの俗に言う「有観客」または「客入れ興行」という通常モードに近い興行も再開した。ただ、このピンチをチャンスにと各プロモーターは知恵を絞り「オンラインサロン」や「クラウドファンディング」など新しいファン層の獲得を目指しつつ、新たなビジネスモデルの取り組みを始めている。試合映像の放映に関しても動きがあった。テレビ放送だけに頼らず、YouTubeや独自のオンラインプラットフォームを介したネット配信など近年の一般視聴者の生活習慣に対応したサービスが急成長している。
特設サイトを用意するなどネットを駆使して興行をPRすると同時に試合に出場するボクサー達にスポットを当ててきた「A-SIGN」は、ボクシングビジネスの「ゲームチェンジャー」となり得るのではないかー。ファンのみならず関係者からの注目も集めている「ファーストレートPresents A-SIGN BOXING」の前日計量とPCR検査が30日、都内で行われた。選手の感染予防のため取材はオンラインで行われたが、ドキュメンタリー仕立ての紹介動画でYouTubeの「投げ銭」(※金銭的支援機能)でファイトマネーを上回る激励賞を獲得し、ネット上で大きな話題となっている山口拓也(35=ワールド日立)が取材に応えた。
これまでの試合で一番多く受け取ったファイトマネーが7、8万円だったという山口は、YouTubeの投げ銭によるファンからのサポートで、既に昨日までに74万円(※山口は90%を受け取る)の激励賞が集まっているが「動画を見て善意で分けてくれたお金なので、お世話になってる人に(恩を)返すことに使う」と話し始めると所属先のワールド日立ジムのトイレの改修費にすることを明かした。
話題を集めている自身のインタビュー動画は見ていないという山口は、自身が注目選手になったことにも浮ついた様子はなく「僕個人は何もしてない」と述べた。