村田諒太が語った!

　WBA(世界ボクシング協会)ミドル級王者の村田諒太(34=帝拳)が10日、東京都江東区内のWOWOW放送センターで「エキサイトマッチ〜世界プロボクシング 世界に羽ばたいた日本のレジェンドの試合をもう一度!<村田諒太編>」に出演し、収録後に報道陣の代表質問に文章で回答した。
　現在の心境やビッグマッチが噂されるサウル・カネロ・アルバレス(29=メキシコ)について、さらに新型コロナウィルス感染症の影響で1年延期になった東京五輪に出場する後輩への思いを語った。
　
「エキサイトマッチ〜世界プロボクシング WBA世界ミドル級チャンピオン村田諒太の珠玉の名勝負の数々を村田諒太本人をゲストに迎えてお届けする特別企画」
放送日:4月13日(月)午後9時〜WOWOWライブ

　現在、村田は新型コロナウィルスの影響で次戦が決まっておらず、ジムワークもできない状態だが「この状況がいつまで続くんだろうという不安に関しては、それは皆さまと一緒の状況。じゃあ、何ができるかと考えたら、ボクサーとして活動ができるように最低限の衰えで、完全にキープはできないと思うので、どれだけ保てるかというところだと思う。自分のできる範囲で、最低限サビないようにしている」と今は家族と過ごしながら体調管理に努めている。

　終息の兆しが見えない中での生活に「本当に、スポーツ界がどうとか言っている場合ではない。社会全体の問題ですので、じゃあ誰かが何を動いてどうするかっていうと何もできないので、感染拡大をしないように、それぞれが意識を持つしかない」と自制を呼びかけた。

　村田はアルバレスとの対戦を一番に希望しているが「(アルバレスは)スーパーミドル級に上げていますし、現実味がないのであれば、ゴロフキン(ゲンナジー・ゴロフキン)でもいいと思いますし、別にそうでなくてもいいと思います」とコメント。「ただ、普通に防衛戦をしていっても盛り上がるかというとそうでもない気がするので、名前がある選手とやって、ファンが見たい試合をしていきたい。そうであれば相手は誰だっていい」とビッグマッチを熱望した。

　そのアルバレスの次戦は米国ラスベガスでWBO(世界ボクシング機構)スーパーミドル級王者のビリー・ジョー・サンダース(30=英)とのタイトル戦が予定されている。予想を聞かれた村田は「サンダースのコンディション具合だと思う。サンダースがレミュー(デビット・レミュー)と対戦した時の動きをしたら、カネロは大苦戦する。サンダースの調子が良くなかったら、KOで負けると思う。普通に考えれば、小差判定でカネロってところですかね」と答えた。
　アルバレスとゴロフキン第3戦については「カネロかなと思います。それもすべては階級次第かなと思う。カネロが160ポンド(約72.5kg)を作るのかなと思うので、165ポンド(約74.8kg)とか168ポンド(約76.2kg)になるのだったら、やっぱりカネロが有利。ただ、160ポンドでの試合となったら(カネロは)体重を落とすのに結構苦労すると思うので五分五分になる」と話した。

　3月20日に東京五輪代表発表会が行われたが、オリンピックは1年後に延期が決定。「ここにピークを持ってきた選手はいっぱいいると思う。ずっと、何年も前からそこに向けてやってきたので、それが1年延期となったら、気持ち的にもすごい難しい」とメンタル維持の難しさを代弁したが「なんにしてもオリンピックに出て、そこで活躍することで得られるメリットというのはすごく大きいので、それを目指すしかない。実際、自分もオリンピックでの金メダル獲得が一番のターニングポイントだった。出場権が確保できている選手は、そこで活躍する以外に自分をアピールする場なんてなかなかないのでその気持ちを保つしかない」と後輩へエールを贈った。