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来場者の約8割がマスクを着用していた27日、都内の後楽園ホールで「DANGAN 234 はじめの一歩30周年記念フェザー級トーナメント準決勝」が開催された。アンダーカードには5ラウンド賞金マッチが2試合用意され、2年8ヶ月ぶりのリングに上がった元日本ライト級チャンピオン土屋修平(33=Reason大貴)と11ヶ月ぶりの復帰戦に臨んだ前OPBF東洋太平洋ミニマム級チャンピオン小浦翼(25=E&Jカシアス)が会場を盛り上げた。
小浦翼が復活!
元気な姿を披露したのはミニマム級の小浦。度重なるバッティングにも冷静さを保つとワンツーからの連打で決着。急変更で決まったフィリピン人選手を相手に221秒の再起戦を楽しんだ。
倒せてよかった
控室に戻った小浦は「やっとリングに帰ってきた。いろいろと試練もあったが、試合がない間は自分のボクシングを見つめ直した。接近戦でも戦えることを証明できたと思う」と約1年5ヶ月ぶりの勝利に頬を緩めると「自分に負けた選手が上に行っているので追いつかないといけない」と飛躍を誓った。
右:山口祥吾がKO勝ち
喝采を浴びた人気者の土屋修平だったが、2年8ヶ月のブランクは勝負勘を鈍らせた。それでも、ライト級元日本チャンピオンの輝きは初回の終盤の右ストレートで魅せた。ダウンを奪った土屋だが、山口祥吾(26=唯心)の左からの組み立てに反応が遅れると5ラウンドにボクシングの厳しさを見た。TKOで勝った山口は賞金10万円をゲットした。
土屋修平に感謝!
元チャンピオンを撃破した山口は「近藤戦(近藤明広=一力)に負けてから気持ちが落ちて、練習も疎かになっていたが、土屋さんからのオファーがあり、スイッチが入って高いモチベーションで練習を重ねることができた」と声を弾ませると「土屋さんの試合は静岡からチケットを買って観に行くくらい憧れていた。この勝ちを無駄にしないようにしていきたい」とまずは日本ランキング返り咲きを目指す。
負けた自分は人前に立てる商品じゃない
一方復帰戦を飾ることができなかった土屋は「実力者とやればこんなもん。そんな甘い世界じゃない。勝ちたかったけど何かを言うのには責任が生まれる。試合前には言いたいことは言った。勝ってからもっと言いたかったけど負けたらダメ。調子は悪くはなかったけど練習量が足りなかった」と悔しい表情を見せると「発言権を持つために結果が欲しかったけど勝てなかったので終わり。生き様を見せたかったけど負けたらダサい。5ラウンドボクシングをもう少し流行らせたかった」と試合後はグローブを吊るす意向を示した。今後の動向が気になる。