勢い乗った完封劇!東洋大学が初優勝

　12月26日、東京の墨田区総合体育館で行われた“全試合チャンピオン対決”のラスト、第73回全日本大学王座決定戦では、今季の関東大学リーグ戦で初優勝を収めた東洋大学が、関西学生リーグ戦で5年ぶりの優勝を収めた大阪商業大学に11対0で完封勝利。同校初の大学日本一に輝いた。プロボクシングの現役世界王者では東洋大が村田諒太(帝拳=WBA世界ミドル級)の母校、大阪商業大学が京口紘人(ワタナベ=IBF世界ライトフライ級)の母校でもある。

　この決定戦では長年、関東優勝校が極端に高い勝率を誇っており、今回も東洋大学の有利は明白だった。大阪商業大学の応援席で後輩の試合を見守っていた京口は、完封負けについて「ウチもせめて2勝くらいして欲しいというのが本音だったが、“食ってやろう”っていう士気自体、向こうのほうが高められていた」と悔しそうに語り、最後は「今日もいい試合はあったけど、負けた以上、褒める言葉は控えたい」とあえて辛口の言葉で愛情を示した。

　東洋大学の三浦数馬監督は「相手校の気迫が強くて、フィニッシュの直前まで“目が死なない”と選手も皆驚いていた。前半戦を抑えられたので、中盤戦、後半戦のメンバーが刺激された」とコメント。大阪商業大学の菅原博之監督は「実力差がありすぎて、ウチの強い階級をさらに上回れた。年明け6日までよく休んで、個人個人で思うものを来年に活かしてほしい」とコメントした。
　大会の三賞は最優秀選手賞・堤駿斗(東洋大学)、技能賞・木村蓮太朗(東洋大学)、敢闘賞・細野勝梧(大阪商業大学)となった。