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[試合後談話]2018.11.9

元王者の麻生興一が復活のリング

 前日本Sライト級王者で現在は日本同級4位の麻生興一(32=三迫)が9日、後楽園ホールで開催された「三迫ジム一門会.67」のメインイベントに出場。元日本Sライト級2位の佐藤短彰(33=新日本木村)と対戦した。試合は約11ヶ月ぶりのリングとなった麻生が距離を詰めて接近戦に持ち込んだ。
麻生が快勝した
 初回は、サウスポー佐藤がスピードを活かしたボクシングで先手を奪ったが、2回からは麻生がガードを固めてジリジリと距離を潰し左ボディから右ストレートを好打。3回には左フックでダウンを奪った。偶然のバッティングで左目上をカットした佐藤は、覚悟を決めて真っ向から打ち合うが、接近戦を得意とする麻生は上下にパンチを決めて実力を発揮。6回に佐藤の負傷が悪化し判定へ持ち込まれた。終始優勢に試合を進めた麻生が判定勝ちした。
やっぱりボクシングが好き
 再起に成功した麻生は、「返しの左フックが少し効いたがあとは大丈夫だった。久しぶりのサウスポーとの試合だったので相手の左をもらわないように戦った。これで負けたら終わりなのでプレッシャーはあったが楽しかった」と安堵の表情を浮かべた。
 麻生は、昨年12月に細川バレンタイン(角海老宝石)に敗れ王座を陥落。ベルトを失い、さらに第一子となる長男が生まれたこともありグローブを吊るす意向を示したが、王座に返り咲き、子どもにベルトを見せるため4月に復帰を決意した。 
チャンスを作っていきたい
 会見に同席した三迫貴志会長は、「初回は動きが硬かったが、2ラウンドからの動きはブランク明けにしては良かったと思う。課題はあるが今日は合格点」と語ると、「現在WBOアジアパシフィックランキングが1位だし、いろいろな可能性を探っていきたい」とサポートを約束した。
小久保が6勝目
 Sフライ級8回戦では住友将吾(31=RK蒲田)と小久保聡(35=三迫)が激突。サウスポー小久保が、プレスをかけながら左フックをヒット。接近戦に持ち込むとボディに的を絞り、相手の体力を消耗させる作戦を遂行した。住友の左カウンターを浴びて膝を揺らす場面もあったが、3回に手数を増やし連打でダウンを演出。4回、手負いの住友に容赦なくパンチを浴びせるとレフェリーが割って入った。
もっと勝ち星を重ねたい
 17戦目で初のKO勝ちを飾った小久保は、「相手はパンチがあり左フックが効いたが、自分のボクシングをしたら勝てると自信を持って戦った。倒したかったので本当にうれしい」と声を弾ませた。一時は1勝7敗3分けと黒星の多かった小久保だが、ここ6戦は5勝1敗と調子を上げている。来年36歳になる小久保は、「大きなチャレンジができればうれしい」と日本ランカーを目指したいと笑顔を見せた。

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