吉田実代が2本目のベルト獲りに挑戦!

　日本女子バンタム級王者の吉田実代(30=EBISU K's BOX)が20日に後楽園ホールで開催された女子イベント「Victoriva.Vol2」のメインイベントでOPBF東洋太平洋女子バンタム級王座決定戦に出場。グレテル・デパズ(25=比)と王座を争った。

　初回は上下に打ち分けるデパズに主導権を握られた吉田だが、2回以降はプレスをかけて右ボディを効かせた。ペースを取り戻した吉田は多彩なパンチでポイントを加点。前半終了時の公開採点は1者が38-38としたが、残りの2者は39-37で吉田がリードした。5回、吉田がさらに攻め立てたところで偶然のバッティング。吉田は左前頭部を負傷し、ここで試合終了となったが、文句なしの負傷判定勝ちで新チャンピオンに就いた。

　2冠王者となった吉田は「ベルトを獲れたことはうれしいが負傷判定勝ちだったので悔しい。上下の打ち分けや攻撃のバリエーションを見せたかった」とまずは反省の弁を述べた。今朝、3歳になる長女・実衣菜(みいな)ちゃんに「ガードだけはしっかりしてね」とアドバイスを受けたと明かし、報道陣の笑いを誘った吉田は、9月30日(日)に鹿児島アリーナでの次戦が決定済み。故郷・鹿児島での凱旋試合は怪我の具合が心配されるところだが、吉田は「大丈夫です!」と笑顔を見せた。

　会見に同席した加山利治会長は「ショート連打が出るようになって少しづつ進歩している。タイミングの良い右が当たっていたのでまとめていたらストップに持ち込めた」と語ると、「日本では馬力があるから通用するが、世界王者は強いからやってみないと分らない。オファーが来たら海外でも挑戦させたい」と話した。この日の挑戦者決定戦に勝った若狭与志枝(花形)との対戦にも「状況次第だが日本王座も防衛させたい」と、今後は2つのベルトを守っていくと明言した。

　序盤は攻勢を仕掛けたものの敗戦を喫したデパズは「採点には納得していない。1〜2ラウンドは私がポイントを取っていた。(吉田は)パンチの軌道が読みやすくあまり上手くなかった」と強がった。