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完全アウェーの米国で王座奪取に成功したWBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(27=伴流)が3日帰国。成田空港で多くの報道陣に囲まれ会見に臨んだ。伊藤は28日(日本時間29日)、米国フロリダ州キシミーで同級1位のクリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)と空位のWBO王座を争い、判定勝ちで新王者に就いた。伊藤は今後について「ベルトを獲ってうれしいが、固執せず海外でも日本でも自分の力がどこまで通用するのかチャレンジしたい」と語った。
試合後は観光した
「あまり実感は沸かないが周りの人たちが喜んでくれるのがうれしい」。現在の心境についてそう答えた伊藤は試合後、米国に残り、家族や親せきと休暇を楽しんだという。15人乗りのバスを借りたのだが、伊藤自ら運転手を務めたため「正直、疲れました」。「日本に帰って来たので今は焼き肉が食べたいです!」と話し報道陣の笑いを誘った。
試合中のブーイングも気にならなかった
試合当日、ホテルでひとりになった時に「初回で倒されるのではないか。自分の力を出せないのではないか」と不安で涙が出たというが、「このような舞台で試合ができるのは限られた人。そう思ったら吹っ切れて気負いがなく良いパフォーマンスができた」と大舞台を振り返った。
勝利はチームのおかげ
また、予想していたよりリングが小さく多少の戸惑いがあったというが、無敗のディアスに真っ向から打ち合い完勝。「トレーナーのルディ(ルディ・エルナンデス)から、『初回からガードの上からでもいいから思い切り打て』と言われて覚悟ができた」と語り、「4ラウンドにダウンを奪ったのに仕留めることができず(自分は)ボクシングが下手だなと思った。パンチがないわけではないので、ダウンを奪った後に倒し切る力が必要だ」と次戦以降への課題を挙げるのも忘れなかった。
会見に同席した団太路会長は「リングが小さくて打ち合ったのがハマった。これ以上ない素晴らしい出来でした」とジム初の世界王者誕生を喜んだ。
会見に同席した団太路会長は「リングが小さくて打ち合ったのがハマった。これ以上ない素晴らしい出来でした」とジム初の世界王者誕生を喜んだ。
勝利の瞬間、叫んだ!
試合終了後にはすべてを出し切ったという伊藤。「採点は勝っているかなと思った。勝った瞬間は一生忘れない」と笑顔を見せた。これからはベルトを守る立場になるが「勝って価値のある相手と戦いたい。場所はどこでも良いができれば日本で戦いたい。大晦日の試合にも憧れがある。これまでスーパーフェザー級の日本人世界王者には内山高志さん、三浦隆司さんをはじめ多くの素晴らしい王者がいた。自分が肩を並べるにはまだまだだと思う。ただ、伸びしろがあるので少しでも近づいていきたい」とさらなる飛躍を誓った。
これからの活躍に期待がかかる
練習再開の時期は未定としながらも、試合後数日後にはロードワークを開始。それでも8月中は、応援してくれた人たちへの挨拶周りに追われそうだ。