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WBA(世界ボクシング協会)ライト級タイトルマッチ、王者ホルヘ・リナレス(32=帝拳)対WBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級王者ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ/米)の12回戦は12日(日本時間13日)、米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われた。スピードとスキルを身上とする天才同士の注目ファイト。3階級制覇王者リナレスが4度目の防衛を果たしたのか、それともロマチェンコが史上最速の12戦目で3階級制覇を成し遂げたのか。
※リナレス対ロマチェンコは14日(月)夜9時からWOWOWライブ・チャンネル「エキサイトマッチ」で放送
〇ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
10回2分8秒KO
×ホルヘ・リナレス(帝拳)
サウスポーのロマチェンコがガードを上げた構えから圧力をかけて出る。リナレスは様子を見ながら中間距離で左ジャブを突き、右もちらつかせる。2回、リナレスが速いワンツーを繰り出すが、挑戦者は小さなバックステップで外す。リナレスのボディブローが命中するが、ラウンド終盤にロマチェンコが右フックを好打した。テンポの速い緊張感のある展開のなか、3回になるとロマチェンコが圧力を強めて出た。リナレスも迎撃し左アッパーを浅く当てたが、挑戦者は止まらない。プレッシャーをかけながら左右にも回るロマチェンコ、ガードを高く上げながら左ジャブ、右ストレートを狙うリナレス。4回、挑戦者が飛び込みながら右フックを当て、さらに細かい左右をねじ込んだが、リナレスも右ストレートを返して譲らない。
ここまでで手応えを得たのか、5回に入るとロマチェンコがさらに距離を縮めてきた。リナレスは後退を強いられたが、そのたびに打ち返した。ラウンド終盤、ロマチェンコの左右がクリーンヒットして優勢を印象づけた。続く6回、ロマチェンコが右のフェイントを多用しながら前進。リナレスも回転の速い連打で迎え撃ったが、多くはブロックされた。そのあとでリナレスの右ショート・ストレートがアゴに命中、ロマチェンコが腰からストンとダウンした。立って20秒ほどでゴングが鳴った。肉体的なダメージか、それとも精神的な動揺か、ロマチェンコは7回は様子を見ながらスタートした。リナレスも警戒心が強くなり、やはり攻めて出られない。しかし、右ボディブローをヒット。リードブローの突き合いで始まった8回、徐々にロマチェンコが圧力をかける展開に持ち込み、リナレスはやや後手にまわる。左から右フックの返しを狙う挑戦者だが、王者の右を警戒して一気には出られない。この回、リナレスが左目上をカットした。
9回、今度はリナレスが相手を追い、ロマチェンコが下がる展開になった。リナレスのボディブローが入り、さらに左アッパーから細かい左右を顔面に命中した。挑戦者は手数が減りペースダウンしたように映る。10回、再びロマチェンコが攻勢に出て王者を追う。左右で追い立て、左アッパーから左右フック、最後は左ボディブローをクリーンヒット。これを浴びたリナレスは体を丸めて左ひざからダウン。カウント途中で立ち上がりかけたが、前傾姿勢になったままポーズをとることはできなかった。これを見たレフェリーは両手を交差させた。
史上最速の12戦目で3階級制覇を成し遂げたロマチェンコは11勝(9KO)1敗。これで8連続KO勝ちとなった。敗れたリナレスは48戦44勝(27KO)4敗。9回終了時点の採点は三者三様で、ひとりが86対84でリナレス、もうひとりは逆に86対84でロマチェンコ、残る一者は85対85のイーブンだった。