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「神の左」と称された一撃必殺の左ストレートを武器に、11年11月にWBC世界バンタム級王座獲得。17年3月まで日本男子歴代2位となる12度連続防衛記録を打ち立てた山中慎介氏の引退セレモニーが25日、東京・中野区役所で行われた。雨天のため、本庁舎4階の議事堂で行われた式典には200人近くのファンや職員が集い、名王者を出迎えた。
皆さんの声援が力になった
滋賀県出身の山中氏は専修大学ボクシング部で主将を務め、卒業後の06年にデビュー。10年に安田幹男(六島)を破り日本王座を獲得すると、11年3月の初防衛戦で現IBF世界スーパーバンタム級王者の岩佐亮佑(セレス)と名勝負を繰り広げ一気に知名度を上げた。続く同年11月に世界戦のチャンスが訪れ、クリスチャン・エスキベル(メキシコ)との決定戦をTKO勝ちで制し、見事世界王座を獲得。以後5年以上もベルトを守り続け、この間、09年から中野区に移り住んだ山中氏はその功績が称えられ、16年11月に名誉区民に選ばれた。
最高のボクシング人生でした
昨年8月のV13戦でルイス・ネリ(メキシコ)にTKO負けを喫し王座から陥落したが、ネリのドーピング疑惑が持ち上がり、WBCの指令のもと今年3月の再戦に臨んだ。だが、体重超過で王座を剥奪されたネリに雪辱を果たすことができず、この試合を最後に引退を表明した。通算成績は31戦27勝(19KO)2敗2分。
雨のなか大勢のファンが集まった
田中大輔区長より花束とともに「中野区民を勇気づけ希望をくれた山中さんは、区の誇りであり夢であった。これからの新しい道も区民として歩んでほしい」との言葉を贈られた山中氏は、「皆さんの熱い声援が本当に力になりました。最後の2試合はしょうもない相手にあたってしまいましたが、12度も防衛できて最高のボクシング人生でした」と満面の笑顔で感謝。会場からは「ありがとう!」の声とともに惜しみない拍手が送られた。
今後のことはゆっくり考えたい
式典後、囲み取材に応じた山中氏は、今後について「いろいろな話を頂いているが、もう少し落ち着いてからゆっくりと考えたい」とコメント。「区議への立候補は?」との冗談めいた質問にも「自分でもどうなるか分からないし、可能性はゼロじゃない。芯を持って行動していきたい」と答えた。最後に山中氏は、「結果を残す度に中野区でいろいろな方と知り合うことができた。少しでも自分を必要としてくれるのなら、これからも協力していきたい」と語り、中野区への愛着の深さを示した。
展示会は5月11日まで
同区役所本庁舎1階ロビーでは、この日から5月11日まで山中氏の雄姿を振り返る展示会を開催。世界戦で使用したガウンやグラブ、獲得したトロフィーや盾、パネル写真のほか、この日、山中氏の申し出によりWBCとリング誌のベルトも飾られることになった。展示時間は土日祝を除く午前9時から午後5時まで。