山中と再戦のネリ「万全の準備をする」

　3月1日、東京・両国国技館で前WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級王者で現1位の山中慎介(35=帝拳)と再戦することになっている現王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)が、いよいよ因縁のリマッチに向けて来週から本格的なスパーリングを始めることになった。山中と同じサウスポーのネリは「万全の準備をして山中との試合に臨むつもりだ」と話している。

　ネリは昨年8月、山中のV13戦の相手として京都で拳を交え、4回TKO勝ちで王座をメキシコに持ち帰った。しかし、試合前の検尿から禁止薬物が検出されて問題になり、WBCが調査に乗り出した。ネリ陣営は「汚染された肉を食べたからではないか」と潔白を訴え、11月にはノンタイトル戦を行い、ダウンを挽回して6回TKO勝ちを収めている。その後、WBCは「意図的にドーピング違反を犯したとは言い切れない」という灰色裁定を出し、山中との再戦を命じるとともにネリのもとに王座を据え置いた。
　こうした経緯があるだけに、ネリは今度は食べ物にも十分な注意を払っているようだ。「前回はドーピング検査で陽性が出たので、今回は食事に注意をして全部の食品を米国で買っている」と話している。練習については「来週から本格的にスパーリングを始める予定で、サウスポーの元世界王者をはじめ2、3人が相手になってくれる予定。万全の準備をして試合を迎えるつもり」とコメントしている。先の山中戦を含めて6連続KO中のネリは25戦全勝(19KO)、雪辱と王座奪回を狙う山中は30戦27勝(19KO)1敗2分。