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前日本フライ級王者の粉川拓也(32=宮田)が11日、後楽園ホールで開催された「DANGAN203」に出場。53.0kg契約8回戦で藤本直人(26=新日本木村)と対戦した。6月に王座を陥落して以来となる粉川の試合に視線が注がれた。また、高校選抜準優勝の実績を持つ稲元純平(19=熊谷コサカ)がデビュー戦を行った。
粉川が辛勝
初回、藤本がワンツーをヒットすると格上の粉川に臆することなく攻め立てた。対する粉川は2回になると、ジャブからスピードを活かした攻撃で反撃すると、右を合わせてペースを奪った。藤本はワンツーを軸に流れを取り戻そうとしたが、粉川はサイドに動いては細かい連打を浴びせてポイントを加点。しかし、ランキング奪取に闘志を燃やす藤本も懸命に手数を出し応戦した。採点は1〜4ポイント差で粉川を支持した。
戦績以上に良い選手だった
藤本に善戦を許すも再起に成功した粉川は「初回、動きが悪くなる癖が出てしまった。KOを狙うと力むので安全運転した。今日はつまらない試合でもいいので勝つことがすべてだった」と冷静に試合を振り返った。現在IBF世界フライ級3位に位置する粉川だが「こんな試合で世界ランカーだなんて恥ずかしい。これからさらに強くなるだけです」と具体的な目標は挙げずレベルアップを誓った。
採点表
稲元の右ストレートが冴えわたる
稲元純平(19=熊谷コサカ)はバンタム級6回戦に出場し、デングッチュム・シットソートーゴー(21=タイ)と対戦。稲元はフットワークを駆使しプレスをかけると右フックを振り抜きダウンを奪った。立ち上がったデングッチュムに再び右を浴びせて試合を終わらせた。
息子の勝利に母も一安心
U-15全国大会を4度優勝した経験のある稲元は「久しぶりの後楽園ホールのリングは気持ちが良かった。じっくり攻めようと思ったが右が良い感触で当たったので一気に行こうと思った」と声を弾ませた。アマチュア戦績43戦37勝6敗のため、新人王トーナメントに出場することができない稲元は「日本タイトルを目指したいが、その前に日本ユース王座を狙いたい」と抱負を口にした。
かつてOPBF女子スーパーフライ級王座決定戦に出場した経験のある母の真理さんは「入場するまでは自分の試合のように緊張してしまったが、リングでの動きを見てホッとした」と安堵の表情を浮かべた。しかし、「チャンピオンを目指すのであれば、一人前の人間として成長していかなければならない」と元プロボクサーとして厳しい注文を付けるのも忘れなかった。
かつてOPBF女子スーパーフライ級王座決定戦に出場した経験のある母の真理さんは「入場するまでは自分の試合のように緊張してしまったが、リングでの動きを見てホッとした」と安堵の表情を浮かべた。しかし、「チャンピオンを目指すのであれば、一人前の人間として成長していかなければならない」と元プロボクサーとして厳しい注文を付けるのも忘れなかった。