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[試合後会見]2017.12.1

藤岡奈穂子 5階級制覇なるか?

 女子の世界王者タイ記録、そして男女通じて日本人ボクサー初となる世界5階級制覇を目指すWBA女子世界フライ級王者の藤岡奈穂子(42=T&H)が1日、後楽園ホールで開催された「A-sign.Bee.9」のメインイベントに出場。WBO女子世界ライトフライ級王座決定戦でIBF女子世界ライトミニマム級王者のヨコスタ・バジェ(25=コスタリカ)と対戦した。18年間のボクシング人生の集大成と位置づけた藤岡は5本目のベルトを巻くことができたのか――。
藤岡がキャリアの差を見せた
 右ストレートからの左フックで場内を沸かしたバジェは、序盤はスピードを活かして先に仕掛けたが、2ラウンドに藤岡がプレスを強めると下がる場面が徐々に増えた。偶然のバッティングで左目上を5針縫うほどに負傷したコスタリカの国民的アイドルボクサーは、それでも最後のラウンドまで、闘志を燃やし続けた。ダウンシーンはなかったものの、攻め手の多さで藤岡が世界でも2人目となる女子世界5階級制覇を成し遂げた。
やっぱりプレッシャーはあった
 最大8ポイント差をつけて5階級制覇を達成した藤岡は「距離が思ってた通りに遠くて入り方に迷いがあった。途中から相手の右の軌道が読めたのでボディを狙った。相手はワンパターンでこっちの引き出しが上だったのが勝因。5ラウンドからリズムが掴めてイケると思った」と安堵の表情を浮かべて試合を振り返った。
 試合前にOPBFフライ級王者のチャオズ箕輪(ワタナベ)から挑戦状が出され、一昨日にはWBOアジアパシフィック同級王者に就き、指名挑戦権を持つ天海ツナミ(アルファ)がいるが「今は考えられない。少しゆっくりしたい」と語ると、「これまで誰もやっていないことをしてきた。海外で戦ってみたいという目標がある。チャンスがあれば(海外で)やってみたい」とさらなる飛躍を誓った。
天海との対戦はあるのか
 会見に同席した竹原慎二T&Hジム会長は「相手のガードが固くてやりにくいなと思ったが、ラウンドを重ねるごとに藤岡の強引さでこのままいけば倒せると思ったが良かった。それにしてもこの年齢ですごいスタミナですよね。5階級獲ってかなり認められると思うのでますます次に向けて頑張れるのではないか」と感想を口にした。
最後に笑顔を見せたバジェ
 序盤にバッティングで右目上を負傷したバジェは、治療後に会見。初黒星がよほど悔しかったのか、涙が止めどなく溢れたが、藤岡の印象について聞かれると「優れた選手。経験では向こうが上回っていた。トリッキーな動きもあって捉えづらく、イメージ通りのボクシングはできなかった」と完敗を認めた。それでも「ナイスファイトだった」と声を掛けられようやく笑顔が戻ったバジェは、「グラシアス!また頑張ってタイトルを取り返したい」と前を向き会見を終えた。

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