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今月15日の世界戦でルイス・ネリ(メキシコ)に4回TKOで敗れ、13度目の防衛に失敗した前WBC世界バンタム級王者の山中慎介(34=帝拳)が、21日夜放送のNHKドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演。番組は勝てば日本人男子世界連続防衛記録に並ぶ山中を試合前から密着し、調子が上がらず苦悩する日々を映し出した。
地鳴りのような歓声に沸いた島津アリーナ京都
試合3週間前、格下選手とのスパーリングでも不用意にパンチを浴びてしまい、思ったように体が動かないと悩む山中。逆に公開練習でその実力をいかんなく発揮する若き挑戦者。山中を指導する大和心トレーナーは、「間違いなく最強の相手。山中のコンディションをベストに持ってこない限り(勝つことは)難しい」と不安を口にしていた。
それでも腰の動きを意識することに努めた山中は、8月に入ると調子を上げ、予備検診、調印式では「ベストの状態に持ってくることができた」と自信を口にした。
それでも腰の動きを意識することに努めた山中は、8月に入ると調子を上げ、予備検診、調印式では「ベストの状態に持ってくることができた」と自信を口にした。
調子は上がったはずだったが
勝てば偉大な歴史に並ぶ大一番。序盤、山中はジャブで冷静に距離を測り、2回に入ると「ゴッドレフト」が挑戦者を捉えだした。上々の出だしを感じさせたが、若い挑戦者にはそれ以上の勢いがあった。丁寧に右ジャブ、左ストレートを突く王者に対し、ネリは強引に踏み込み左右の強打で応戦すると4回、左ストレートを浴び後退した山中に連打が爆発。ガードを上げ距離を取りたい山中の顔面に追撃のブローが次々とヒットした。残り時間30秒、不意にリング上にタオルが舞い、ガクッと腰を落とした山中を大和トレーナーが救い出した。4回2分29秒のTKO負けだった。
21日現在 進退について言及はない
5年9ヵ月保持していた王座からの陥落。プロ12年目にして初の敗戦。引退か現役続行かと注視されるなか、番組は後半、敗戦から3日後の山中の姿をカメラに収めた。「悔いはない。結果には結びつかなかったが、失敗することによって成長を感じることはあった。試合翌日には子供に『パパ今回はまけっちゃっけどさ、次にやればいけると思うよ』と言われ泣きそうになった」。番組内で進退について言及することはなかったが、山中の言葉には現役続行に前向きといった様子が感じとれた。