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9日に後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のセミファイナルでは日本スーパーライト級王座決定戦。同級1位の麻生興一(30=三迫)と同級2位の松山和樹(FLARE山上)が激突。ジャブを飛ばして距離を作る松山に対し、麻生はガードを固めて接近戦を仕掛けた。
新チャンピオン誕生
松山がジャブからアッパーを織り交ぜたが、2ラウンドになると麻生はしつこく前進し右フックで腰を沈めた。その後は中間距離での打ち合いとなったが麻生の右が何度も顔面を弾きポイントを加点。前半終了時の公開採点は2者が49-46、1者が50-46で麻生を支持した。劣勢の松山はボディに的を絞り逆転を狙ったが、麻生も怯むことなく応戦。麻生は8ラウンドに右で膝を揺らすとロープに詰め怒涛の連打でレフェリーストップを呼び込んだ。
腹を括って試合をした
3度目の正直で悲願のベルト奪取に成功した麻生は「これ夢じゃないですよね?起きて夢だったらどうしよう?」と何度も頬をつねり喜びを爆発させた。「相手はパンチがあると聞いていたので距離を潰そうと思った。何度もチャンスをもらい本当にうれしいです」と頭を下げた。「これからもボクシングができることに感謝して謙虚に戦っていく」と語った麻生だが、三迫貴志会長から次戦は6月のダイヤモンドグローブが有力だと聞かされると「それを聞いてもう緊張してきました」と報道陣を笑いに誘った。
距離が取れなかった
一方、最後まで勝利に執念を見せるも敗れてしまった松山は「描いていたプランと違って打ち合ってしまった。右をもらい、リズムが崩れてしまった。公開採点を聞いて倒すしかないと思い勝負に出たが…」と肩を落とした。
今野裕介(角海老宝石)
この試合を観戦した日本同級6位の今野裕介(28=角海老宝石)は「麻生さんは自分の得意な距離で戦っていた。あの距離だと松山選手はちょっと厳しいと思った。もし、自分が戦うことになったら最終兵器を出して勝つだけです」と試合の感想を口にし、タイトル挑戦に目を輝かせた。
採点表