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メキシコのスター選手同士の試合、2階級制覇の実績を持つ現WBO(世界ボクシング機構)スーパーウェルター級王者サウル・カネロ・アルバレス(26)対元WBC(世界ボクシング評議会)ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(30)の12回戦が5月6日、米国内で行われることが正式決定した。イベントを主催するゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)が発表したもので、開催地は米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナかテキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムが有力とみられている。
フリオ・セサール・チャベス・ジュニア
2月に31歳になるチャベスとアルバレスには5歳の年齢差があるが、ふたりがウェルター級からスーパーウェルター級で連勝を続けていた08年から09年ごろに対戦の期待が高まったことがあった。しかし、チャベスが階級をミドル級に上げたこともあり実現には至らなかった。その後、アルバレスはスーパーウェルター級とミドル級を制覇し、チャベスもミドル級で世界王者になった。現在の主戦階級はアルバレスがスーパーウェルター級、チャベスがスーパーミドル級で、階級の体重差は6キロ以上ある。こうしたことから両者の対戦は不可能と思われていたが、今回、164.5ポンド(約74.6キロ)の契約体重とすることで合意した。試合が行われる5月6日はメキシコの戦勝記念日の週末ということもあり、HBOテレビでのペイ・パー・ビュー(PPV=有料視聴)の契約件数が大きく伸びるものと期待されている。試合地に関してはラスベガスが第一候補と伝えられるが、5万人以上の集客能力を持つAT&Tスタジアムも有力視されている。
サウル・カネロ・アルバレス
試合決定を受けアルバレスは「チャベスと戦えることに興奮を抑えきれない。ふたりのメキシカンがすごい戦いをしたということをみんなの記憶に刻みたい。戦勝記念日と独立記念日(9月)は私たちメキシコ人にとって重要な日なんだ。ボクシング界にとって特別な夜になると思う」と抱負を口にした。チャベスも「この戦いをメキシコに捧げたい。もちろん勝つつもりだ。これは国とボクシング界が望んだ戦いだと思う」とコメントを発した。戦績はアルバレスが50戦48勝(34KO)1敗1分、チャベスが54戦50勝(32KO)2敗1分1無効試合。ただ、アルバレスは11年のキャリアを通じて155ポンド(約70.3キロ)が最重量で、チャベスは13年以降の5戦では167.5ポンド(約75.9キロ)が最軽量というデータが残っている。チャベスは昨年12月のドミニク・ブリッチュ(独)戦で168ポンド(約76.2キロ)の体重で臨み、上々の動きができたことでさらなる減量にも自信を深めていると考えられる。
ビリー・ジョー・サンダース
アルバレスはチャベス戦と並行してWBO世界ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)への挑戦も画策していたが、チャベス戦を選択したことによってサンダースはフリーの立場になった。そのサンダースに対しては村田諒太(帝拳)が挑戦の意思表示をしていることもあり、今後の交渉の成り行きが注目される。