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[試合後会見]2016.11.5

沖縄期待の新星、連続KOの更新は?

 5日の後楽園ホールで開催された「第555回ダイナミックグローブ」のメインイベント、OPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチ、王者の比嘉大吾(21=白井・具志堅)が同級2位のフェリペ・カグブコブJr(26=フィリピン)を迎えて初防衛戦に臨んだ。ファンに期待に応えてノックアウトすると宣言した比嘉は初回か ら力強いパンチを繰り出した。
パーフェクトレコードを更新した
 比嘉はガードを高く上げてグイグイと圧力をかけるとサウスポーのカグブコブは後退。ラウンド終盤にはコーナーに詰めて回転のある連打でダメージを与えた。2回、カグブコブは左右フックを強振するが、比嘉の勢いは止まらずボディにパンチを集めるとガードが下がったところに右ストレートを決めた。4回、カグブコブは必死の形相でワンツーを繰り出したが、比嘉はブロックして上下の打ち分けを見せると先制のダウンを奪った。立ち上がったカグブコブをコーナーに詰めて怒涛の連打を繰り出し、2度目のダウン。またも立ち上がったカグブコブだったが10カウントが数え上げられた。比嘉がデビューからの連続KOを11に伸ばした。
会長、トレーナ―、自分を信じて世界を獲る
 初防衛をはたし笑顔で控室に戻ってきた比嘉は「初回、すぐに良いパンチが入って顔面だけ狙い過ぎてしまった。相手の身長が低い分、いつもよりボディが狙いにくかったが、最後は倒せてよかった。今回は悪いところが多かったが、途中からジャブも出せたしセコンドの指示も聞くことができた」と試合を振 り返った。連続KO勝ちを意識するかという質問に「意識していないと嘘になる。KOを意識し過ぎてワンパターンになってしまったので勉強になった。(日本記録の15連続KOは)13回ぐらいになったら考えるが今はさすがにそこまでは考えていないです」とコメントした。
具志堅用高会長
 愛弟子の会心のノックアウト劇を見守った具志堅用高会長は「パワーがすごいね。これからも倒していくのではないか。現在、WBC世界フライ級3位なので年内にある王座決定戦の後に指名試合で挑戦できれば。次の試合が来年の春ぐらいになるだろうからその時に(世界が)出来たらいいねぇ」と青写真を描いた。
強気なコメントを残した
 試合後、治療室に直行したカグブコブは右目上を計9針縫っての会見となった。負傷をバッティングと主張したカグブコブは、「これがなければもっとやることができた」と悔しがり、比嘉の印象については「ボディは効いたがほかはそれほどでもなかった。最後も立ち上がったのに止められてしまった」と虚勢を張った。比嘉が世界を獲れるかの質問には、「わからない。そこまで強いと思わないが、チャンスがあるなら」と再戦を望んだ。
八重樫東(大橋)
 この試合をリングサイドで観戦したIBF世界ライトフライ級王者、八重樫東(33=大橋)は「普段、フィジカルトレーニングを一緒にしているのですが、試合を観たのは映像も含めて初めて。まず強さに驚いた。勝負をかけにいく気持ちの強さや随所に技術を見せる選手で面白いボクシングをするなと思った」。 「ここでそういうパンチを打つんだというのもあったし、打ち合いの中でも頭はクリアでゴリゴリのファイターではない。一本調子にならなく、ギアチェンジやペースアップ、ペースダウンがナチュラルに出来ている。これは教えてできるものではない」と比嘉の強さを冷静に分析し評価した。

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