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[試合後会見]2016.10.25

技巧派王者が若きサウスポーと対戦(試合動画)

 25日に後楽園ホールで開催された「DANGAN168Tomorrow'sChampion32」のメインイベント、日本フライ級タイトルマッチ、王者の粉川拓也(31=宮田)が同級4位の新井雄大(24=渡嘉敷)を迎えて4度目の防衛戦に臨んだ。前日計量で圧勝すると誓った粉川は初回からワンツーを好打して先手を取った。
粉川が快勝した
 粉川は時折右フックを当てていくが、サウスポー新井は初挑戦の緊張を見せることなく思い切りの良い左ストレートで対抗。2ラウンドに右アッパーで粉川の顔を弾いた。しかし、粉川は主導権をわたさず飛び込んでは右を決め優勢に試合を進めた。前半終了時の公開採点は3者ともに49-46でチャンピオンを支持。6ラウンド、粉川は距離を縮めて手数を増やすとさらに差を広げた。守勢を強いられた新井は右フックで反撃。ピンチを迎えた粉川だったが、老獪な試合運びで後続打を出させず最大7ポイント差で防衛に成功した。
見栄えの悪いパンチをもらってしまった。
 偶然のバッテイングで左耳を負傷し治療を終えてから会見に臨んだ粉川は「早い回に頭が当たり足にきてしまった。途中から倒しにいくか捌こうかで迷って安全運転をしてしまった」と反省の弁を口にした。2011年7月に当時WBCフライ級王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に挑戦して以来5年ぶりとなるサウスポーとの対戦に「特にやりにくさは感じなかったが、勝ちにこだわりすぎてしまって…」と苦笑いを浮かべた。今後に関して「出来ることなら世界にいきたいですね…」とワンステージ上を目指したいと語った。
初挑戦ながら堂々と戦った
 控室に戻った新井は、涙を流しながら「一発で(タイトルを)獲りたかったが、まだ早かったみたいです」と悔しがった。それでもこれまで課題にしてきた気持ちの強さを見せることができたと前を向き、「決して超えられない壁じゃなかった」と再出発を誓った。渡嘉敷勝男会長も「大きな舞台で強さを見せることができた。良いパンチも打てていたし、キャリアの差で追撃させてもらえなかったが、もう少し手数を上げられたなら面白い結果になっていたかもしれない。よく頑張ったよ」と新井を労った。
黒田雅之(川堺新田)
 この試合を南側客席で観戦した日本フライ級2位黒田雅之(30=川崎新田)は「粉川さんは最初、距離感が合っていないと思ったが、3〜4ラウンド辺りからポジションを掴んでペースを握った。途中からサウスポーも苦にしていなくて流石だなと思った」と感想を口にした。
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