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WBC世界スーパーフェザー級王者ビタリ・タイベルト(ドイツ)に挑んだ粟生隆寛(帝拳)は、3回に左ストレートで鮮やかなダウンを奪って王者をポイントアウト。こちらも3対0の明白な判定勝ちでフェザー級に続く二つ目のタイトルを獲得した。
粟生 隆寛
スーパーフェザー級に転向してから3戦目となる粟生だが、この日は相手のスピードに最初のうちは少し戸惑ったという。しかし、3回には左ストレートで試合の流れを決める鮮やかなダウンを奪った。世界初挑戦のときも前半でダウンを奪ったものの失速、王座を逃した苦い経験がある。
新王者と田中トレーナー
この日の粟生はその後も攻撃の手を緩めず、9回には再び左ストレートをヒット。さらにワンツーで攻め込むなど甘さは見られなかった。技術でもパワーでも王者を凌駕しての戴冠だった。
粟生控え室
しかし、粟生は内容に納得がいかない様子で、控え室は田中繊大トレーナーが「勝者の会見じゃないみたい」と評したほどだった。「チャンピオンに相応しい試合だったのかな?もっと行けたところもあったと思うし…」。それでも3回のダウンは手応えがあったという。「ああっダウンだって。ガチンと手応えあったけど自分でもびっくりしました」。勝利は終盤になって確信したという。「9か10ラウンドぐらいで一発逆転を狙っているのが分かったので、そうなると動きやパンチを読みやすくなるんです」と解説。
また、試合に臨むのにあたって、雑誌に載ったタイベルトの写真を見て左フックを打つ際に右が空くクセを見抜いたとも話した。
また、試合に臨むのにあたって、雑誌に載ったタイベルトの写真を見て左フックを打つ際に右が空くクセを見抜いたとも話した。
タイベルト
一方、2度目の防衛に失敗したタイベルトは、潔く敗北を認めた。「粟生は強かった。私も2回までは左を巧く使い、右も良かったのだけれども、2回に右手を痛めてしまい使えなくなってしまった。ダウンはキャリアで初めてのことだか、効きはしなかった。精神的ショックもなかった」。
タイベルト控え室
採点も結果も素直に受け入れたうえで、タイベルトはこう言った。「プレッシャーのかけ方が粟生の方が巧かった。また日本に来たい。そしてケガのない状態で再び粟生と戦いたい」。